PBC、IFRS対応やセキュリティなどを強化したERPソフト「Microsoft Dynamics NAV 2013」日本版

中国版や香港版も提供


 パシフィックビジネスコンサルティング株式会社(以下、PBC)は6日、米Microsoftの中小規模向けERPソフトの新版「Microsoft Dynamics NAV 2013」を、2013年3月下旬より販売開始すると発表した。

 Dynamics NAVは、Microsoftが開発しているERPソフト。同じくMicrosoftが提供している「Dynamics AX」が、同時100~3000ユーザーといった中・大規模環境での利用を想定しているのに対し、Dynamics NAVでは同時1~200ユーザーでの利用と、よりも小さな規模での利用を想定している。

 PBC 取締役/事業部長 兼 戦略事業推進室の吉島良平室長は、「Dynamics NAVは、ワールドワイドでの9万社という導入実績が示す通り、大企業ではなく中堅・中小企業に向いた製品。カスタマイズが容易で、何でもできるという特徴を持ち、例えば既存システムのリプレース時に、社内のビジネスプロセスを変えないままで従来の画面と同様にカスタマイズして短期間で導入するなど、柔軟で容易に導入できる特徴を持つ」と、この製品を説明する。


PBC 取締役/事業部長 兼 戦略事業推進室の吉島良平室長Dynamics NAVとDynamics AX

 もともとDynamics NAVは、Microsoftが買収したデンマークの企業(Navision)が開発した製品だが、Dynamics NAV 2013では、WindowsやOfficeをはじめとするMicrosoft製品との親和性が向上。Dynamics CRM、Office 365シリーズとの連携性が強化され、よりMicrosoftの製品としての“色”が強くなっているのが今回の特徴とのことで、ユーザーインターフェイスもリボンUIを採用するなど、より現在のOffice製品に近づいている。

 さらに、前バージョンの「Dynamics NAV 2009」で導入されたロールテイラードクライアントに加えて、Webクライアント、SharePointクライアントが新たに導入され、Webブラウザ経由でアクセスしたり、SharePointサイトを構築したりすることが可能になった。

 また、バックグラウンド転記、分析コードのレコード保持方法における設計の改善などにより、システムパフォーマンスを改善。加えて、Windows Azure上での動作をサポートしたことで、クラウド環境からの提供も可能になったほか、原価管理機能やキャッシュフロー予測機能の追加、商品在庫状況のビジュアル化、レポーティング機能・グラフ化機能の拡張などにより、ユーザーの利便性も向上させている。


新たに導入されたWebクライアントの画面イメージDynamics NAV 2013での主な機能拡張

 Dynamics NAVの日本対応については、Microsoft自身ではなくPBCがこれまでも行っており、今回のDynamics NAV 2013についても、PBCが独自に日本対応機能を付加して提供する形態となる。

 吉島室長によれば、単なる日本語化ではなく、セキュリティ、ワークフロー、IFRS対応の3点を日本向けに強化して提供するとのこと。「コンセプトとしては、ユーザビリティを上げ、ミスオペレーションをなくすことに重点を置いた。外国製のパッケージは日本人が慣れている画面や帳票が得意ではなく、そこを補てんしてユーザーが作業ミスをしないように気を配っている。また、Dynamics AXと比べて弱いセキュリティの機能や、ユーザーから要望されているワークフローの機能強化も行っている」(吉島室長)。

 価格は、Dynamics NAV 基本機能パック(3ユーザー含む)が42万円(税別)、追加ユーザーライセンスが1ユーザーあたり25万円(税別)、日本対応機能(Basic)が100万円(税別)、日本対応機能(Advanced)が100万円(税別)。Microsoftから提供されるライセンスは英語版で、日本対応機能を追加することで日本語での利用に対応するとのこと。同時に提供される中国対応機能、香港対応機能についても、日本対応機能と同様、PBCが独自に開発した機能である。

 ただし独自開発とはいっても、PBCではMicrosoftによるNavision買収前からこの製品を手掛けており、製品について習熟しているほか、製品の完成前からMicrosoft本社の開発部門と緊密な連携のもとで機能の開発を行っているとのことで、品質については十分担保されているとしている。

 なおPBCでは日本・中国への対応に加えて、従来も提供してきた業種特化型のパッケージについても開発する予定で、製造・小売・貿易・保守メンテナンスの4ソリューションを順次提供していく考えである。


日本、中国、香港での商慣習に対応した機能をPBCが追加開発している日本版の機能
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