ネットアップ、グローバルおよび日本市場のビジネスが好調に推移

クラウド時代に最適のデータ管理プラットフォームを積極展開


 ネットアップ株式会社は6月20日、グローバルおよび日本市場におけるビジネスの現状と今後の事業戦略に関する記者説明会を開催した。


代表取締役社長のタイ・マッコーニー氏ネットアップのグローバルでの業績推移

 まず、代表取締役社長のタイ・マッコーニー氏が、グローバルでの2012年度(2011年5月~2012年4月)の業績について説明。「2012年度は、62億ドルの売り上げを達成し、総収入は22%増となった。また、世界で最も働きがいのある企業で第3位となり、今回初めてFortune 500にランクインした。マーケットシェアも順調に拡大しており、コアビジネスであるオープンストレージシステム『FAS』はシェア15%、OEMを含めると21%を占める。さらに、ストレージOS分野およびOEMストレージ分野においても、当社がNo.1ベンダーとなっている」という。

 また、マッコーニー氏は日本の業績にも触れ、「厳しい経済状況が続く中で、日本市場での売り上げは前年比23%超の成長率となり、8四半期連続の2ケタ成長を記録した。また、中小企業において働きがいのある企業第2位となった。そして、当社のストレージ基盤がソフトバンクに採用されたほか、富士通からはDistinguished Partner Awardを受賞した」と、日本市場におけるビジネスも好調に推移していると述べた。

 こうした同社の成長を支える基盤製品となるのが、データ管理プラットフォーム「Data ONTAP」だ。「『Data ONTAP』は、コストパフォーマンスに優れたUNIX向けストレージとしてスタートして以来、ユニファイドストレージへの発展、統合データプロテクション機能の追加、Storage Efficiencyテクノロジーの導入、フラッシュによる高速データアクセスなど、常に最新テクノロジーを取り込みながら進化を続けてきた。現在は、『インテリジェント』『ノンストップ』『インフィニット』の3つをコンセプトに、他社の提唱する『ユニファイド』のさらに先の次元である『アジャイル データインフラ』の実現に向けて、『Data ONTAP』の新たなイノベーションを提供している」と、マッコーニー氏は、「Data ONTAP」が業界をリードするデータ管理プラットフォームであることを強調した。


技術本部 本部長の近藤正孝氏「Data ONTAP:Cluster-Mode」の概要

 続いて、技術本部 本部長の近藤正孝氏が、「アジャイル データインフラ」を実現する中核ソリューションとして、同社が注力している最新データ管理プラットフォーム「Data ONTAP:Cluster-Mode」について説明した。

 「『Data ONTAP:Cluster-Mode』は、スケールアップとスケールアウトの両方に対応できるストレージOSで、ビッグデータおよびクラウド時代に最適なストレージ基盤を実現する」という。「具体的な導入効果としては、シームレスな容量追加やリソースの再配分が可能となり、スモールスタートから新たなシステムを柔軟かつ迅速に導入拡張することができる。また、さまざまなストレージを混在可能で、階層化によってディスクのコストとパフォーマンスにあわせたデータ管理を行うことができる。このほか、運用ライフサイクルにおけるメリットとして、ダウンタイムや処理の中断、クライアントの変更などが必要なくなるため、ノンストップオペレーションが可能になる」としている。

営業統括本部 統括本部長の岩上純一氏

 今後の日本市場における営業戦略について、営業統括本部 統括本部長の岩上純一氏は、「これまで、日本市場での営業展開は東京に一極集中していたが、本年度からは大阪、名古屋、福岡の支店を強化し、全国へのマーケット拡大に力を注いでいく。また、グローバル化を推進し、国内の外資系企業、および海外に進出する国内企業を全面サポートできる体制を整えた。あわせて、サポートサービスを強化し、中国・大連にあったテクニカルサポート組織を東京に移転した。さらに、販路の強化にも取り組み、従来の物販を中心とするリセラー、ディストリビュータに加えて、クラウドプロバイダーやシステムインテグレータへの支援も拡充させていく」と、日本市場向けビジネスを大幅に強化する方針を示した。

 このほか、VDIやDR、分析といったソリューションセールスにフォーカスした営業にも注力。「Protect, Grow&Acquire(PGA)戦略」として、パートナー企業との密な協力体制によって、既存顧客の維持と育成を図るとともに、新規顧客の獲得を目指した営業展開を進めていくという。


関連情報