ネットワンシステムズ、CISCO Ciusを使ったVXIのデモ体験会


ネットワンシステムズ株式会社 ビジネス推進グループ 技術本部 ソリューション技術部 横山哲雄氏

 ネットワンシステムズ株式会社は12月20日、記者向けに「Cisco Cius」のデモ体験会を開催した。

 Cisco Ciusは2010年6月に米Ciscoが発表したタブレット型Android端末。ネットワンシステムズ株式会社 ビジネス推進グループ 技術本部 ソリューション技術部の横山哲雄氏は、VDI(Virtual Desktop Infrastructure、仮想デスクトップ基盤)のメリットとして「運用管理コスト削減」「セキュリティ対策」「災害対策・事業継続性」「生産性向上・ワークスタイル変革」の4つを上げる。

 とくに、東日本大震災以後の日本国内では業務継続性が注目されているが、在宅勤務や社外からも仕事ができる環境を求める声が強く、従業員もワークスタイルの変化を望んでいると横山氏は説明。また、非常時対策としてテレワークを実施している企業は約2割で、うち6.3%が震災後の実施だとした。

 横山氏は、震災でさらに注目の集まるVDIだが問題点もある、として、「デスクトップとコミュニケーションが連動していないため、オフィス外のモバイル環境ではビジネスで不可欠なコミュニケーション環境をオフィス内と同じように利用することができない」点を指摘。VDIとユニファイドコミュニケーション(以下UC;Unified Communications)を統合した包括的なデスクトップ仮想化ソリューションとして、米Ciscoが提唱している「Cisco Virtual eXperience Infrastructure(VXI)」を紹介した。

 VXIでは、デスクトップPCだけではなくPBXも含めたすべてのユーザー体験を仮想化することで、コスト削減と精算効率の向上が提供可能だという。横山氏は、ネットワン社内では、PBXも含めて仮想化し、取引先からの電話を内線で外出先の担当者に転送したり、SaaSを利用していつでもどこからでも同じデスクトップPC環境を実現する社内導入事例を紹介した。

VDIの“デスクトップとコミュニケーションが連動していない”問題を解決するソリューション「VXI」VXI全体構成

 CiscoはVXI環境に適したクライアント端末として、AndroidOSを搭載したタブレット「Cisco Cius」を2010年6月に発表した。「Cisco Cius」はAndroid OS 2.2をベースに米Ciscoがセキュリティ面などを強化。JailBreakなどはできないという。シンクライアントはXen DesktopとVMware Viewに対応しており、いずれもAndroidアプリから起動する形になる。Cisco UCとの連携が可能で、メディアステーションによる有線接続、および3G/4G/Wifi接続に対応するが、日本では3G/4Gには未対応。CUCM(Cisco Unified Communications Manager)による一元管理やセキュリティ設定が可能となっている。

 Cisco Ciusの主な仕様は、前面に720pのHD動画が撮影可能な前面のビデオカメラ、背面には5メガピクセルのVGAビデオカメラ、タッチパネル搭載の7インチ液晶(16:9、1024×768ピクセル)、プロセッサはIntel Atom 1.6GHzを搭載。32GBフラッシュメモリを搭載。マイク、スピーカーを装備する。無線インターフェイスはIEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth 3.0に対応。ギガビット対応のLANポート、USB 2.0、1080pビデオ出力に対応するディスプレイポート、microSDカードスロットを装備。IEEE 802.3at(PoE Plus)に対応する。

 横山氏は、「社内でも社外でも同様にテレビ会議や電話対応業務ができ、タブレット端末で起動が速い。仮想デスクトップ利用でローカルにファイルを置かないので情報流出や漏えいの心配もない」などの点をCisco Ciusの特長として挙げた。現在までのところ、医療分野や、VDIを試用してみようという試験的導入などでの引き合いが多いという。

「Cisco Cius」。ディスレイ部はタブレットとなっており、タブレット単体で持ち出せるCisco Ciusを用いたビデオ会議のデモ。Cisco Ciusタブレットのディスプレイポートから壁面ディスプレイに出力している


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