Beat Com、社外とも情報共有が可能な社内SNSの新製品「Beat Shuffle」
株式会社Beat Communicationは27日、社内向けSNSパッケージ「Beat Office」の後継製品となる「Beat Shuffle」を10月10日にリリースすると発表した。
Beat Officeの既存ユーザー企業は原則として、従来の月額料金のままでBeat Shuffleに移行可能。新規導入の場合は、100ユーザーで月額3万円から(2011年12月末までのキャンペーン料金)。対応するサーバー環境はBeat Officeから変更はなく、Linux系OSとなっている。
Beat Shuffle |
Beat Shuffleでは、つぶやき機能と独自のいいねボタンを新たに実装し、社内SNSにおいてFacebook並みの機能を実現したという。つぶやきはストリームを一覧表示したり、シェア(リツイート)が可能。いいねの多いトピックや日記なども参照しやすくした。社内のあらゆる人や情報、プロジェクトがソーシャルにつながることができるとしている。
リリース時点は未対応だが、マルチデバイス対応も行うとしており、12月にはiPhone/iPadとAndroidに対応。2012年2月からは従来型の携帯電話(フィーチャーフォン)からも利用できるようにする。
さらに、これも2012年に入ってからの実装予定だが、社内の社員同士のつながりだけでなく、Beat Shuffleで企業と企業がつながることも可能になるという。社内SNSでありながら、社外コミュニケーションもBeat Shuffle上から行えるため、グループ企業間での情報共有のほか、全く別の企業との共同プロジェクトなどに活用できるとしている。
Beat Shuffleは、同社にとって実に2年ぶりの新製品となり、スクラッチから開発し直した。基本的にはすべてJavaで開発しており、Javaのモジュール設計のフレームワークとして「OSGi(Open Services Gateway initiative)」を採用した点も特徴。
OSGiはもともと、Javaベースのサービスプラットフォームとして、主に組み込み機器向けを想定して1990年代後半に仕様が策定されたものという。Beat Communicationでは、これをウェブベースのサービスでも使えるようにアレンジし、Beat Shuffleのフレームワークとしている。
これにより、日記やメッセージ、コミュニティといったSNSの各機能をモジュールとして開発し、ユーザー企業のニーズに応じて柔軟に追加・変更できるようになった。しかも、Beat Shuffleのサービスを停止することなく、アプリケーションの追加・変更が可能だとしている。なお、ユーザー管理やコンテンツ管理といった基本機能はフレームワーク側に実装しているが、それらもモジュール化されているため、フレームワークそのものもカスタマイズ可能。ユーザー企業側からアイデアが出された機能を実際にモジュールとして開発・追加していくプロセスも迅速化できるとしている。
2012年には、Beat Shuffleのソーシャルプラットフォームをオープン化し、APIも公開。デベロッパーが、Beat Shuffle向けの業務用各種アプリや、外部ウェブサービスと連携するガジェットを開発・提供できるようにする。プラットフォーム公開に先立ち、10月15日からは参加する企業・個人のデベロッパーの先行受付を開始する。
Beat Communicationの村井亮代表取締役社長は、世界的にソーシャルテクノロジーはビジネス用途へとシフトしていると説明。ソーシャルテクノロジーを正しくビジネスに取り入れているか否かで、企業の5年後の明暗が分かれると訴えた。また、既存製品のBeat Officeの導入企業での事例として、東日本大震災の発生当日の連絡・情報共有手段として活用されたことも紹介。企業の危機管理へのバックアップにも社内SNSが重要であることを強調した。
Beat Shuffleのロードマップ | Beat Communicationの村井亮代表取締役社長 |