米OracleがItanium向けソフト開発を打ち切り、米HPは開発継続をあらためて表明
米Oracleは22日(米国時間)、Itaniumプロセッサ上で動作するソフトウェアについて、すべての開発を打ち切ると発表した。一方で米Hewlett-Packard(以下、HP)は23日(米国時間)、Itanium向け開発の継続をあらためて表明。Oracleの姿勢を批判している。
米Intelが開発しているItaniumは、2010年3月に最新世代の「Itanium 9300番台」(開発コード名:Tukwila)が発表され、HPの「HP Integrityシリーズ」やNEC、日立の基幹サーバーなどに採用されている。また、次世代のPoulson(開発コード名)も開発が続けられているほか、さらに次のKittson(開発コード名)についても、ロードマップがすでに発表されている。
しかし、x86プロセッサであるXeonにおいて、マルチソケット向けの最新世代「Xeon 7500番台」で、RAS機能の一部を取り込むなど、大きく信頼性が向上。富士通が、それまでItaniumを採用してきた基幹サーバー「PRIMEQUEST」をXeonベースに切り替えたほか、Microsoftが次期バージョンではItaniumへ対応しないことを発表したり、Red Hatが先ごろ発表された最新版のRed Hat Enterprise Linux 6で対応をやめたりするなど、「脱・Itanium」の動きも加速している。
こうした中でOracleでは、「Intelの経営層はx86に焦点をあてており、Itaniumは、その一生の終わりに近づいてきた」として、新規の開発を打ち切ることを明らかにした。なお、既存製品のサポートは続けられる。
しかしHPでは、HP Integrityシリーズ上などで動作するHP-UXについて、サーバーOSとしては業界最長クラスのサポートを提供するなど、Itaniumプラットフォームに継続してコミットしてきた。今回の開発継続表明も、こうした一連の取り組みの中で、既存顧客の不安を取り除くべく行われたものと見られる。