日立ソリューションズと日立電サ、シーゴのI/O仮想化技術でフジテレビの情報システム基盤を強化


 株式会社日立ソリューションズと日立電子サービス株式会社(以下、日立電サ)は24日、シーゴシステムズ・ジャパン株式会社(以下、シーゴ)のI/O仮想化コントローラ「Xsigo VP780」を用いて、株式会社フジテレビジョン(以下、フジテレビ)の情報システム基盤を構築したと発表した。

 シーゴが提供しているI/O仮想化コントローラは、サーバーのI/O(データの入出力)を集約し、I/Oリソースの仮想化を実現する専用ハードウェア。通常はサーバー個々に接続するネットワークケーブル、FCケーブルをI/O仮想化コントローラのアプライアンスに集約し、サーバーとアプライアンスの間を高速な10Gigabit Ethernetや最大40GbpsのInfiniBandで結ぶ形態をとる。

 これによって、サーバー側の配線を最小限に抑えられるため、複雑になりがちな配線の簡略化を実現。またあくまでも仮想化されたI/O(仮想インターフェイス)をサーバーに割り当てる方式のため、サーバーのケーブルを接続し直すことなく、物理的、仮想的にインターフェイスを追加したり削除したりできる、柔軟性も併せ持っている。

 今回、I/O仮想化コントローラが採用された基盤は、2月から稼働を開始した最新のもので、日立のx86サーバー「HA8000シリーズ」をハードウェアとして利用するVMware vSphereによって、サーバーを仮想化。さらに、「Hitachi Universal Storage Platform V」の持つストレージ仮想化機能と、Xsigo VP780のI/O仮想化をあわせ、3層にわたる仮想化を実現している。

 従来より、フジテレビの情報システム基盤では、サーバーとストレージの仮想化が実装されており、フジテレビはその導入効果を実感していたという。しかし、本格的に仮想化を推進するにあたっては、ハイパーバイザーを動作させる物理サーバーへNICやHBAを多く搭載しなくてはならず、またそこに接続するケーブルも増えることから、ケーブル管理も負担になるといった課題が顕在化してきたという。

 そこでフジテレビでは今回、I/O仮想化の採用に踏み切った。今回の環境では、2枚のHCA(Host Channel Adapter:InfiniBandのアダプタ)を搭載した1台のラック型サーバーに対し、20枚の仮想NICと4枚の仮想HBAを割り当てているので、ケーブル本数の劇的な削減に成功している。

 今後、フジテレビは150台を超える物理サーバーを対象として、順次新基盤へ移行・統合していく計画。新基盤では、サーバー、ストレージ、I/Oの仮想化を実施しているため、リソースを最大限有効に利用でき、大幅なTCO削減効果と環境負荷に対する低減効果が得られるとしている。

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