シーゴ、I/O仮想化コントローラの40Gbps対応高速版とEthernet対応製品


シーゴシステムズ・ジャパン代表取締役の尾方一成氏

 シーゴシステムズ・ジャパン株式会社(シーゴ)は15日、I/O仮想化コントローラの新製品としてEthernetポートに対応した「Xsigo VP560 イーサネット」「Xsigo VP780 イーサネット」を10月末より出荷開始すると発表した。あわせて、機能強化モデルとして「Xsigo VP560」「Xsigo VP780」の40Gbps対応版を提供することも発表した。

 I/O仮想化コントローラは、サーバーのI/O(データの入出力)を集約し、I/Oリソースの仮想化を実現する専用ハードウェア。シーゴ 代表取締役の尾方一成氏は、「現在の仮想化・クラウド環境は、サーバー、ストレージの仮想化が中心で、I/O仮想化への対応は遅れているのが実情。当社のI/O仮想化コントローラは、多数のサーバーのI/Oを集約し仮想化することで、ベンダーに依存しない真のクラウド環境を提供する。また、増大するケーブル配線を簡素化し、機器・設備投資コストを削減できるとともに、マルチファブリックの提供、サービスごとのネットワークの分離、インターフェイスごとのサービス保証(QoS)など仮想化環境の最適化を実現し、運用コスト削減も図ることができる」と、I/O仮想化コントローラのメリットを説明する。

機器・設備投資コストの削減仮想化環境の最適化とサービス保証

 同社では、従来まで20Gbpsの高速通信が可能なI/Oコントローラとして、4Uモデル「Xsigo VP780」および小型タイプの2Uモデル「Xsigo VP560」を販売してきたが、今回、Ethernet対応の新製品と40Gbps対応の機能強化モデルを投入し、製品ラインアップを拡充する。

米Xsigo Systems 事業開発担当副社長のS.K.ビノッド氏

 新製品の「Xsigo VP560 イーサネット」「Xsigo VP780 イーサネット」は、高速通信用のアダプタを介さず、直接サーバーにあるEthernetポートに接続するだけで、10Gbpsまたは1Gbpsの通信が可能。米Xsigo Systems 事業開発担当副社長のS.K.ビノッド氏は、「新製品は、既存サーバーのEthernetポートに直接接続できるため、I/O仮想化に必要なアダプタ増設への新規投資が不要となり、既存資産を生かしながら、わずか数分でI/O仮想化の導入を実現できる」としている。

 一方、機能強化モデルでは、1台のサーバー上で稼働させる仮想サーバー数の増加など、より高度なパフォーマンスや大規模システムを求める顧客の要望に応えるため40GbpsのInfiniBandポートに対応した。

I/O仮想化運用管理ツール「Xsigo Management System」iPad対応版の「Xsigo Management System」

 また、両製品には、より視覚的に操作性を向上したI/O仮想化運用管理ツール「Xsigo Management System」を提供。導入後のシステム増設や変更は、同ツールによって容易に操作することができ、従来は現場のみで可能だった配線や接続変更の作業をリモートで行えるなど、運用効率化を実現する。なお現在は、同ツールのiPad対応版をアップルストアで無償提供しているという。

Xsigo VP560シーゴの新製品ラインアップ

 ビノッド氏は、今回の製品ラインアップ拡充について、「当社I/Oコントローラ製品によるサーバー接続の帯域が、従来の20Gbpsに加え、10Gbps、40Gbpsにも広がり、顧客はシステム要件に応じて最適な製品を選択することが可能となった」と、多様化する仮想化ニーズに対応できるラインアップがそろったとしている。

 また、同社では、ラインアップ拡充を機に、国内での販売展開をさらに強化する方針。尾方氏は、「I/Oコントローラを活用したクラウド環境の構築と運用について、日本の顧客に向けてさまざまなメリットを訴求していく。特に、ベンダーフリーのクラウド環境を実現するために、あらゆるベンダーの製品間、あるいはOSとの接続性を提供していく」考えを示した。

 具体的には、同社が標準提供するI/O仮想化運用管理ツール「Xsigo Management System」に加え、「VMware vCenter」や「Microsoft System Center Operation Manager」、「EMC DPA」など、他ベンダーが提供するクラウド基盤運用ツールとの統合を積極的に進めていく。また、SNMP v2、v3を利用したツールとの連携も行っていくという。

 価格は、「Xsigo VP560 イーサネット」「Xsigo VP560 40Gbps対応版」ともに525万円から、「Xsigo VP780 イーサネット」「Xsigo VP780 40Gbps対応版」ともに675万円から。同社では、Ethernet対応の新製品で、初年度(2011年10月末まで)5億円の売り上げを目標としている。

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