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シーゴ、サーバーのネットワーク・FCポートを仮想化するアプライアンス


Xsigo VP780

VP780によるI/O仮想化のイメージ

米Xsigoのアショック・クリシュナマティCEO
 シーゴシステムズ・ジャパン株式会社(シーゴ)は5月15日、サーバーインターフェイスの集約を実現するI/O仮想化コントローラ「Xsigo VP780」を発表した。価格は 600万円から。ネットワンシステムズなどの販売代理店を通じて、6月~7月にも販売を開始する。

 VP780は、ネットワークポート、ファイバチャネル(FC)ポートといったサーバーのI/Oリソースを仮想化するためのアプライアンス製品。米Xsigoのアショック・クリシュナマティCEOは、「仮想化自体は新しいものではなく、サーバーの仮想化やストレージの仮想化で稼働率を高めてきた歴史があるが、I/Oはサーバーの中に固定されてしまっていた。そこでI/Oの仮想化によって問題の解決を図ったのが当社の製品だ」と述べる。

 物理的には、通常はサーバー個々に接続するネットワークケーブル、FCケーブルをアプライアンス側に集約し、サーバーとアプライアンスの間を10GbpsのInfiniBandで結ぶという構成。サーバー側の配線をInfiniBand一本にまとめられるため、複雑になりがちな配線の簡略化を実現できる。また780Gbpsのバックプレーンを備える超高速処理によって、サーバー間の接続を高速化できるメリットもある。

 利用にあたっては、VP780側で仮想的にポートを作成し、サーバーにマウントすることで、あたかもケーブルを直接サーバーに接続したかのように見せかける。クリシュナマティCEOが「アプリケーションやOSへの変更作業が必要ないこと、透過的に接続できることは非常に重要な要素だ」と述べたように、ユーザーが使っているソフトウェア側では、特に何もする必要はない。

 またVP780では、あくまでも仮想化されたI/O(仮想インターフェイス)をサーバーに割り当てる方式のため、サーバーのケーブルを接続し直すことなく、物理的、仮想的にインターフェイスを追加したり削除したりできる点もメリット。作成した仮想インターフェイスを物理サーバー上に構築された仮想サーバーに対しても追加することが可能で、各アプリケーションが利用する仮想インターフェイスごとにQoSをかけられる点も大きな特徴という。さらに管理面では、XenやMicrosoft Virtual Serverとは管理インターフェイスが統合されているため、VP780上から仮想インターフェイスの作成や割り当てを行える。今後は、VMwareにも対応する予定だ。


シーゴの代表取締役、田中克和氏
 ハードウェアは、4Uサイズの筐体に、サーバー接続用のInfiniBandポートを24基搭載。処理性能が許す範囲に置いては、スイッチを介してサーバーと接続することも可能という。また、Gigabit Ethernet(GbE)やFCのポートを増設するためのモジュール用スロットを15基備えており、GbE×4、10GbE×1、4Gbps FC×2といったモジュールを装着できる。このほか同スロット用には、SSLの終端をサーバーに代わって行うためのアクセラレータ専用モジュールも用意された。

 価格は、GbE×4の最小構成で600万円から。サーバー向けのInfiniBandカード(4万7000円)も発売するが、サードパーティ製のカードでも利用可能とのこと。仮想インターフェイスの利用にはソフトウェアライセンスが必要で、最小構成では32仮想ポート分が含まれ、それ以上利用する場合には別途料金が必要となる。

 なお日本法人の代表取締役を務める田中克和氏は、「2007年後半はパートナーとのセミナー開催を中心に、国内でのビジネスを強化する。ワールドワイドの20%の売り上げを目指したい」と抱負を述べた。



URL
  シーゴシステムズ・ジャパン株式会社
  http://www.xsigo.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.xsigo.co.jp/news/2007/0515.html

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( 石井 一志 )
2007/05/15 16:30

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