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NECの2026年度第1四半期連結業績は増収増益、国内ITサービスと航空宇宙・防衛が貢献
通期業績予想を上方修正
2026年7月30日 00:00
日本電気株式会社(以下、NEC)は29日、2026年度第1四半期(2026年4月~6月)の連結業績を発表した。
売上収益は前年同期比14.5%増の8197億円、営業利益は同66.1%増の587億円、税引前利益は同76.1%増の565億円、Non-GAAP営業利益は同86.9%増の747億円、当期純利益は同157.4%増の496億円、Non-GAAP当期利益は同173.2%増の608億円となった。
NECの雨宮邦和副社長兼CFOは、「第1四半期は想定以上の結果になった。特に、国内ITサービスと航空宇宙・防衛が好調に推移し、全社の業績に大きく貢献した。あわせて細かな対策が成果につながってきた感触がある。2026年5月からは、米CSGを新規に連結し、ITサービス、社会インフラともに大幅な増収増益となった」と総括。「前年度にCSGが連結されていたと想定するプロフォーマベースでは、売上収益は前年同期比9.8%増、274億円の増益となっている」と述べた。
また、NEC ステークホルダーリレーション統括部長の浦田征洋氏は、「計画に対しては、売上収益で700億円の上振れ、Non-GAAP営業利益では約250億円の上振れとなっている」とした。
セグメント別の業績
セグメント別業績は、ITサービスの売上収益が前年同期比9.6%増の6215億円、Non-GAAP営業利益は170億円増の578億円。そのうち、国内ITサービスの売上収益が前年同期比1.9%増の4772億円、Non-GAAP営業利益が前年同期から134億円増の453億円。海外の売上収益が前年同期比46.2%増の1443億円、Non-GAAP営業利益が前年同期から36億円増の125億円となった。
雨宮副社長兼CFOは、「国内ITサービスは、BluStellarの事業拡大、子会社の構造改革効果などにより収益性が改善した。海外ITサービスは、為替の影響を除くと前年並みだったが、米CSGの新規連結がプラス影響している」と述べた。
今回は、BluStellarのセグメント別内訳を初めて公開した。BluStellarの国内ITサービスでの売上収益は、前年同期比33.2%増の1661億円、Non-GAAP営業利益は76億円増の227億円。国内ITサービスにおける売上比率は、前年同期の27%から35%に達している。また、初めて公開した社会インフラでのBluStellarの売上収益は、前年同期比273.3%増の137億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から17億円増の22億円となった。
国内ITサービスと社会インフラを合計すると、BluStellarの売上収益は前年同期比40.1%増の1798億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から93億円増の249億円となる。
雨宮副社長兼CFOは、「BluStellarは、エンドトゥエンドで顧客課題を解決する『シナリオ』によるビジネスが、官公庁、金融分野を中心に順調に拡大している。金融分野ではセキュリティに対するニーズが高い一方で、すべての業種において、モダナイゼーションに対するニーズが強い」と述べた。
BluStellarにおいては、2026年4月にAnthropicとの戦略的協業を発表し、日本初のグローバルパートナーとして顧客を巻き込んだ取り組みを開始。安全性や信頼性に優れた業務特化型AIソリューションの共同開発を、金融分野を対象にスタートしたことを強調した。
具体的には、2026年4月からClaude CodeをNECグループ3万人に展開し、国内最大規模となるAIネイティブエンジニア体制を構築。Anthropicによるハイレベル研修や認定資格を活用した中核人材の育成に取り組んでいる。また、2026年6月には、金融機関8社とともに、金融業界におけるAI活用を推進する取り組みを開始。金融業界を皮切りに、信頼性の高いAIの活用と実装を推進するとともに、サイバーセキュリティ対策の強化と、ITモダナイゼーションへの取り組みも進める。
さらに、2026年7月からは、Anthropicとの戦略的協業に基づく最初のサービスとして、「NEC AIインサイトレポーティングサービス」の提供を開始。Claudeを活用して、消費者の購買データをもとに、商品企画や販促プランなどの作成を完全自動化することができるようにした。
一方、ベース事業の売上収益は前年同期比9.5%減の3111億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から57億円増の226億円となった。「PCをはじめとするハードウェアなどの低収益事業の収束や、BluStellarへのシフトにより、減収となったが、子会社の構造改革効果、前年度の不採算案件の改修により収益性が改善し、増益になった」という。
国内ITサービスの受注状況は、大型案件や特需テーマ、低収益事業収束の影響を除いた実質ベースでは、全体で前年同期比3%増。「モダナイゼーション案件を中心に、需要のモメンタムは堅調である」とした。これらの特殊要因を除いた受注実績は、ほぼ前年並みだという。
実質ベースの業種別受注状況は、パブリックが3%増。官公庁向けのデジタル化案件に加え、通信が堅調だという。エンタープライズは同6%増。金融および流通/サービスで伸長している。アビームコンサルティングは、16%増と大幅な伸びを維持している。
「第1四半期の売上収益に、受注残高のうち今年度中の売り上げ計上分を合わせた『有効受注残カバー率』では、前年同期比2%増で進捗している。年間売上予想に対する受注の積み上がり状況は順調である」とアピールした。
社会インフラの売上収益は前年同期比37.3%増の1653億円、Non-GAAP営業利益は130億円増の161億円。そのうち、航空宇宙・防衛の売上収益は前年同期比49.6%増の1108億円、Non-GAAP営業利益は92億円増の137億円。海洋システムの売上収益は前年同期比52.3%増の230億円、Non-GAAP営業利益は42億円増の28億円と黒字に転換。ネットワークインフラの売上収益は前年同期比0.8%増の314億円、Non-GAAP営業利益は4億円減のマイナス4億円の赤字となった。
「航空宇宙・防衛が、引き続き好調を維持し、想定を上回る実績となっている。これまでは第1四半期は契約を結ぶ期間となっていたが、今年度は作業を開始することができ、売上が計上できている。年間の平準化に向けた取り組みのひとつといえる。海洋システムは前年度に受注した案件の売り上げへの計上が開始されたことで、大幅な増収となり、黒字転換した」という。
2026年度の通期業績見通しを上方修正
NECでは、2026年度(2026年4月~2027年3月)の通期業績見通しを上方修正した。売上収益は400億円増額し、前年比1.2%減の3兆5400億円、Non-GAAP営業利益は100億円増額し、同8.2%増の4300億円、Non-GAAP当期利益は50億円増額し、同3.7%増の2900億円とした。
「第1四半期の業績進捗を踏まえて、通期業績予想を上方修正した」という。
NECでは、期初に、部材不足リスクやマクロ経済環境の不透明性に対するアローワンスとして、売上収益で1000億円、Non-GAAP営業利益で300億円を想定したが、これは引き続き維持した。
「部材不足は、第1四半期時点での影響は軽微だが、依然として不透明な状況が継続している。価格転嫁や製品構成の変更により、影響を抑えた。調達リードタイムの長期化も見られているが、これも影響を最小限に抑えている。引き続き、リスクを最小化するための対策を行う」とした。
なお、米CSGの新規連結による通期見通しへの影響は、通期予想には反映しておらず、上期決算発表時に織り込んだ数値を発表する予定を明らかにした。さらなる上方修正が見込まれそうだ。
セグメント別業績見通しでは、国内ITサービスのベース事業と、航空宇宙・防衛での売上収益、Non-GAAP営業利益の増額のほか、海洋システムでのNon-GAAP営業利益の増額を見込んでいる。
「国内ITサービスでは、自治体システム標準化や消防防災案件のピークアウトなどで年間1000億円、部材不足リスクで年間1000億円の減収影響を見込んでいるが、BluStellarの拡大により、収益性改善を計画している。海外ITサービスは、継続して収益性改善に取り組むとともに、2025年度に発生した不採算案件を抑制し、増益を目指す」とした。
自治体システム標準化は、昨年度までに約400団体を対象に事業を展開したが、2026年度も大規模自治体では継続している案件があり、「想定以上の数が残っている」と語った。
なお、BluStellarの売上収益は前年比19.1%増の8400億円、Non-GAAP営業利益は前年から410億円増の1430億円とした。そのうち、国内ITサービスの売上収益は前年比19.1%増の7600億円、Non-GAAP営業利益は前年から379億円増の1320億円。国内ITサービスにおける売上比率は35%を想定している。また、社会インフラでの売上収益は前年比19.9%増の800億円、Non-GAAP営業利益は前年から31億円増の110億円とした。
「BluStellarは、AIを活用したさらなる『シナリオ』の拡大や、ソフトウェアの生産性改善に取り組み、ITサービス全体の利益率改善への貢献を目指す。また、今後は、BluStellarを社会インフラ領域にも拡大していくことになる」とした。
またNECは、NECソリューションイノベータと2026年10月1日付で統合することを発表している。雨宮副社長兼CFOは、この件についても言及。「ITサービスビジネスは、従来の人月ベースから、エンドトゥエンドでの価値提供を中心とした提案へと大きく転換している。NECソリューションイノベータとの統合を通じて、2万人規模のエンジニアリソースと、ドメインナレッジ、実装力を結集でき、コンサルティングからシステム構築、オペレーションまでを一貫して提供する価値提供モデルへの変革を加速できる。市場環境の変化に先んじて、NECグループ全体を変革させるための打ち手となる。AIネイティブ時代における競争力を強化し、ITサービス事業のさらなる成長を目指す」と位置づけた。











