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ドキュサイン・ジャパン、新オフィスで国内の契約業務効率化施策などを発表
2026年9月11日 06:00
ドキュサイン・ジャパン株式会社は8日、日本での事業戦略とAIを活用した契約管理の新機能を紹介する発表会を実施した。同社は6月1日付けで取締役社長に吉田浩生氏が就任。8月には虎ノ門ヒルズに新オフィスを開設した。吉田社長は、「当社が提唱しているDocusign IAMはIntelligent Agreement Managementの略で、製品でもあるが、実はプラットフォーム。エンドトゥエンド、契約の準備から管理・保存、さらにはデジタル化したデータの活用までを実現するプラットフォームとなっている」と説明した。
今回、日本で今後提供を開始するDocusign IAMの新機能も紹介され、「AIの活用によって、契約業務の効率化と、不正発見などによるリスク軽減を両立させている」とアピールした。
日本市場での展開を強化するドキュサイン、「Docusign IAM」とAI連携機能を拡張
吉田社長はドキュサイン・ジャパンの現状について、「第2フェーズに入った」と説明した。これは、電子署名(eSignature)の提供を始めた2003年から2017年までと、グローバル展開やセキュリティ、コンプライアンスに留意した2018年から2023年までを第1フェーズとし、契約管理プラットフォームであるDocusign IAMの提供を開始した2025年以降を第2フェーズと位置づけているためだ。
「ドキュサイン・ジャパンが目指しているのは、不確実なものを事前に摘み取り、ガバナンスを効かせ、契約書そのものをリスクがないものとすること。何かがあった場合には必ず契約書に戻り、その契約書がしっかりと締結され、企業運営を守れるものであることが重要になる。それを実現するために当社が提唱しているのがDocusign IAMになる」(吉田社長)。
ドキュサインが提供する、契約のためのプラットフォームであるDocusign IAMは、契約の準備段階から、契約、活用と契約に関連する全体をカバーする。プラットフォームという発想が必要な理由を、吉田社長は次のように説明する。
「日本企業にはさまざまなシステムが入っており、それゆえに部門サイロ化が起こっている。部門最適を追求すればするほど、実は全体最適から遠ざかっている。いろいろなお客さまのところにお邪魔すると、契約書はまだ紙物でキャビネットの中にあり、新たな契約書が必要になると前の契約書を取り出し、法務の担当者がそれを見て差分を加えし、新しい契約書を作成している。別のお客さまは、『うちは契約書を電子化しているので、契約書はキャビネットに入れていないから大丈夫』というが、実は契約の度に古いファイルを呼び出して利用している。これは電子化しているものの、デジタル化しているとはいえない状態。デジタル化はデータを利活用することを目指している。契約を経営基盤のひとつとしてとらえるのは、売上を上げるためにトップラインを上げる、コストを下げることが必要とされ、いろいろな本にも書かれているが、実はこの2つを実現するためには契約が必ず必要になる。契約に関する状況を効率化する際に、契約に関する環境を見直すことも必要となる」。
Docusign IAMは、契約にまつわる準備・締結・活用とプロセスを一気通貫し、業務効率向上と商談をスムーズに進めていくもの。Salesforce、Workday、Slackなどの他社製ソリューションとも連携し、1100以上のシステム連携を実現している。実績としても、グローバルでは4万社以上に導入されている。
日本においては、虎ノ門ヒルズに設けた新オフィスに日本市場を熟知したスタッフ、国内データセンターを設置するなど日本市場向け施策も強化していく。
「先ほど、Docusign IAMはグローバルで4万社の導入実績があるといったが、日本でも具体的な数字はいえないものの、採用するお客さまが増えている。成長率も明らかにできないが、グローバル成長率を大きく上回っている。日本市場向け施策としては、大手企業中心に直接価値を訴求していく。経営業務効率化にとどまらない収益向上、リスク把握などにつなげていく。製造業、金融をはじめ重点業種・業務に特化した形でお客さまにお届けする。お客さまとの連携を軸に、日本でのSIパートナーとの連携を進める」(吉田社長)。
国内では、国産の契約書ソリューションを展開する企業が先行しているため、弁護士事務所などとの連携も「今回は明らかにできない」としながらも、視野に入れていることを示唆した。
また、Docusign IAMの日本向け新機能を紹介した。Docusign IAMでは、DocusignのAI「Docusign Iris」を内包している。このIrisは、契約領域の専門知識を持ち、契約データの蓄積、契約ライフサイクル全体への対応、大規模処理の実績、信頼の確保といった特徴を持っている。
「Irisは、契約に特化した専門知識を持っている。2億件の営業契約処理をした実績を基に、信頼性とプライバシーへの配慮を備えたAIエンジンになっている」(ドキュサイン・ジャパン ソリューション・コンサルティング 執行役員の細田博氏)。
このIrisの特性を生かし、2026年内に提供予定の「Docusign AI アシストレビュー」は、契約レビューにおけるリスク検出と修正提案をAIが支援する。「AIの出力がそのまま最終判断に至るわけではない。レビュー結果は利用者が最終的に確認し、修正、承認をして、次の業務につなげていくという設計になっている」(細田執行役員)
2026年度内に提供予定の「Docusign AIエージェント」は、契約の更新・承認・リスク対応を、AIがルールに沿って自律的に業務を推進する。「契約ワークフローとAIを連携させ、承認ルールに沿って次のステップまで自律的に業務を進める。従来は、契約書を探し出し、文面を見て、その内容で本当に問題ないかを関係者にメールで確認するといった作業を行っていた。それをAIが自動的に整理し、担当者にアクションをリコメンドしていく機能となっている」(細田執行役員)。
「Docusign MCPサーバー」は、Docusign の契約情報と顧客のAIを安全につなぐもの。Claude、Copilot、ChatGPTなど、普段使っているAIツールから安全に契約情報へアクセスできるようになるという。
「社内やIrisの機能ではなく、外部のAI機能、もしくはお客さまがお使いの業務アプリとつなぐための仕組みとなっている。お客さまが日常的にお使いのAIツールや、業務環境などから、どの契約情報にアクセスできるようにするかを制御する仕組みだ」(細田執行役員)。
細田執行役員は、「重要なのは、単に業務プロセスを効率化し、スピーディーに作業するだけでなく、業務効率化と不正防止チェックの厳格化を両立できるのが、今回紹介した新機能の特徴だ」と説明。AI活用によって、効率化とコンプライアンス強化が両立できることを強調した。



