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三菱電機デジタルイノベーション、AI技術で薬局業務を支援する「保険薬局向けオールインワンプラットフォーム」を発表

AIエージェント「AnI-Bot(エニボット)」が薬局現場と本部業務を一体的にサポートするイメージ図

 三菱電機デジタルイノベーション株式会社は10日、次世代コミュニケーションサービス「AnyCOMPASS」シリーズの新サービスとして「保険薬局向けオールインワンプラットフォーム」を2027年春に提供開始すると発表した。

 同サービスは、処方箋受付から会計・保険者へのレセプト請求までを行う保険薬局の基本となるシステムであるレセプトコンピュータ(以下、レセコン)と、患者の薬剤服用歴(薬歴)を電子的に記録管理する電子薬歴の連携を中心に、AIエージェント「AnI-Bot」が薬局業務に自律的に伴走する。今後、本部向けの経営分析機能などを段階的に拡充することで、薬局現場と本部業務の一体的なサポートを目指す。

 三菱電機デジタルイノベーションはサービス開発の背景として、少子高齢化が進む中で、薬剤師には「地域健康管理の中核」として、より深く患者と向き合う役割が期待されていると説明する。一方で、薬剤師は処方内容の確認や薬歴の作成など、正確性が求められる業務に加え、複数のシステムを使い分ける必要があり、煩雑な業務環境が患者と向き合うための時間を圧迫しているという。

 三菱電機デジタルイノベーションは、40年以上にわたり保険薬局向けシステムを提供してきた知見を生かし、こうした構造的な課題の解決に取り組んできた。2023年にはAnyCOMPASSシリーズの第一弾として「クラウド版電子薬歴」をリリース、2025年にはクラウド版電子薬歴のオプションサービスとして「AIアシスタント機能」を提供開始し、AIによる服薬指導アドバイスやSOAP形式の薬歴ドラフト作成を通じて、薬局業務の効率化を支援してきた。

 さらに、レセコン・電子薬歴・本部機能の3領域を共通基盤で管理することで、AIエージェントでの一体的な支援を実現する「保険薬局向けオールインワンプラットフォーム」の開発を進めている。

 保険薬局向けオールインワンプラットフォームは、現場の業務フローに沿って設計されたAIエージェント「AnI-Bot」が、加算確認や疑義照会ポイントの整理、薬歴ドラフト作成など、薬局業務に自律的に伴走する。システム間の情報連携を円滑にし、レセコンと電子薬歴の業務を効率的に進められるよう支援する。さらに、本部向けの経営分析・改善提案機能も順次提供を予定している。

 「AnI-Bot」が医療安全に配慮しながら薬局業務を支援し、煩雑な事務作業や業務負担を軽減する。これにより、患者や地域社会と向き合う「心と時間のゆとり」を生み出し、新しい薬局の日常を提案するとしている。

 三菱電機デジタルイノベーションは、現行のAIアシスタント機能においても、ハルシネーション(AIによる誤答)リスクの低減を目的とした対策を実装しており、サービスではこの実績あるロジックを継承・発展させた独自設計に基づき、生成AIの出力のみに依存せず、添付文書などの医療エビデンスやルールベースのチェックを組み合わせることで、安全性に配慮した業務支援と効率化の両立を図る。

 サービスでは、薬剤師の確認・判断を前提として、AIエージェント「AnI-Bot」が併用禁忌や用量監査などルールベースのチェック結果をもとに、疑義照会ポイントの整理を実施する。さらに、点数加算の確認、服薬指導や次回フォローアップの提案などをサポートする。

 また、薬歴作成支援として、患者との会話から要点を抽出し、薬歴のドラフトを自動作成する。既存サービスのユーザーの一部事例では、薬歴作成時間の短縮が確認されているという。例えば、処方箋1枚あたり約5分かかっていた薬歴作成が約1分となったケースがあり、薬剤師が患者と向き合う時間を生み出しているという。

処方箋入力時に、「AnI-Bot」が入力内容をチェック・アドバイスする画面

 本部向け機能の「AnI-Bot分析」では、自然言語による問いかけに応じて、必要なデータの把握や分析をタイムリーに行う。複雑な経営データを分かりやすく可視化し、目的に応じた集計や分析を支援する。

 データに基づく経営判断を支援するヒントとして、店舗ごとの売り上げ、利益、業務量、フォローアップ実施率などの分析を提供することで、薬剤師の業務状況や店舗運営の把握を支援する。

自然言語での問いかけに応じて、経営データの可視化を支援する経営分析画面