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日立ヴァンタラ、AIブループリントやインフラ機能の強化など「Hitachi iQ」ポートフォリオの拡充を発表

 株式会社日立製作所(以下、日立)の米国子会社であるHitachi Vantaraは現地時間16日、AIインフラソリューション「Hitachi iQ」ポートフォリオの拡充を発表した。

 「Hitachi iQ Studio」におけるAIブループリントの拡充とマルチエージェント連携機能の強化や、NVIDIA AIインフラオプションの拡充、オンプレミスや仮想化環境で稼働するエージェント型AI向けのより高度なデータ統合により、Hitachi iQは企業向けに最適化された包括的なAIソリューションとして、顧客が自社の環境でAIエージェントの開発や管理を行うことを可能にするとしている。

 Hitachi Vantaraは、多くの組織がAIの試験的な導入から本格的な実用フェーズに移行する中、データの複雑化やAI主権の確保、高度化するガバナンスやセキュリティ要件への対応といった課題に直面しており、強固なデータ運用と安全かつ適切に管理されたインフラを組み合わせることが、競合他社との重要な差別化要素となっていると説明する。Hitachi iQポートフォリオは、AIに最適化されたインフラと統合されたエージェント機能、責任ある企業向けAIの導入に必要な監視とコンプライアンス管理機能を組み合わせて提供することで、これらの課題の解決を目指す。

 Hitachi iQは、企業が安定した性能で高信頼なAIインフラを導入および運用することを支援する。Hitachi Vantaraのハイブリッドクラウドデータプラットフォーム「Hitachi Virtual Storage Platform One(VSP One)」を基盤として、AIで社会インフラを革新する、日立のより広範な次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi」にも活用されている。

 現在、Hitachi iQは、NVIDIA Blackwell GPU(空冷)、NVIDIA Blackwell Ultra GPU(空冷と液冷)およびNVIDIA RTX PROTM 6000 Blackwell Server Edition GPUを4基搭載した2UのNVIDIA MGXベースのシステムをサポートしている。新たに発表されたNVIDIA RTX PROTM 4500 Blackwell Server Edition GPUのサポートも計画中としている。

 これらのGPUオプションにより、モデル開発やファインチューニング、推論やエージェント型アプリケーションなど、顧客のAIワークロードに、より適した計算リソースを選択しながら、冷却、電力およびスペースの制約に対応する多様なモデルをサポートし、企業向けのセキュリティ、レジリエンスおよび本番運用への対応といった要件も満たす。

 Hitachi iQは、アクセラレーテッドコンピューティング、ネットワーキング、ストレージを統合した検証済みの構成で提供する。データを計算リソースの近くに配置する設計により、データ集約型AIワークロードによる利用率やその処理効率を高める。

 Hitachi iQ Studioは、組織が安全な企業内の環境でAIエージェントを設計、展開、管理することを可能にするソフトウェア。NVIDIA AI Data Platformリファレンスデザインを基盤とし、拡充されたAIブループリントとマルチエージェント連携機能を新たに加えて、より高い可視性と運用性でAIのプロトタイプから本番への移行を支援する。

 新しいAIブループリントには、スーパーバイザーとワーカーモデルなど、定義済みのエージェントロールが追加されている。ワーカーエージェントはタスクを実行し、スーパーバイザーエージェントは複数のAIエージェントによるワークフローをその実行結果に基づいて調整する。これにより、組織は複雑なプロセスを自動化しつつ、可視性や効率性、ガバナンスを維持できる。

 また、Hitachi iQ Studioは、エージェント型AIシステム向けに設計された大規模言語モデル「NVIDIA Nemotron」のサポートを拡充する。さらに、AIシステムが過去からの履歴データのセットを文脈や時間の流れに沿って処理することを可能にするタイムマシン機能を追加する。この時間の流れを意識した処理により、AIの説明可能性を強化し、長期間にわたるデータパターンで意思決定を行う業界を支援する。

 さらに、Hitachi iQは、Hammerspaceとの戦略的パートナーシップに基づき、Hitachi iQ StudioとHammerspaceの連携を強化し、AIエージェントが実行するワークフローによるデータアクセスを効率化する。AIシステムが外部のデータソースに安全に接続するためのオープンスタンダードであるModel Context Protocol(MCP)を活用し、Hitachi iQ StudioからHammerspaceが管理するデータに直接アクセスすることを可能にする。

 これにより、顧客はHammerspaceが管理するデータを安全に活用しながら、Hitachi iQ StudioでAIエージェントを開発できる。また、各所に分散して格納されたデータを必要以上に移動することなく、その処理の自動化と活用を促進する。AIエージェントがどこで稼働していても、データはVSP One内部で管理・保護され続けるため、その可用性と安定した処理性能を維持できる。

 この連携強化はデータの可視性を向上し、インフラに複雑な変更を加えることなく分散して格納されたデータへのアクセスを容易にするため、AIエージェントがどこで稼働していても必要以上にデータを移動することなく利用できる。その結果、データオーケストレーションとAIエージェント管理の連携が強化され、VSP One Blockがハイブリッドクラウドの柔軟性を維持しつつ安定した性能と高いデータ可用性の提供を支援する。

 さらに、Hitachi Vantaraは、AIネイティブなストレージソリューションを開発するために新たに発表されたNVIDIA STXリファレンスアーキテクチャーのサポートも検討している。このリファレンスアーキテクチャーはNVIDIA Vera Rubin、BlueField-4、Spectrum-Xネットワーキング、およびNVIDIA AIソフトウェアを活用する。

 Hitachi Vantaraは、3月16日~19日に米国カリフォルニア州サンノゼで開催中の「NVIDIA GTC 2026」に、Hitachi iQおよびHitachi iQ Studioを出展しており、これらの製品が、業界を問わずエージェント型AIの開発をいかに容易かつ迅速に進めるかを確認できるとしている。