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PFU、給与支払報告書に特化したAI-OCRソフトを強化 内製作業と委託後の残務処理を効率化する新アプリを提供

 株式会社PFUは16日、給与支払報告書に特化したAI-OCRソフトウェア「DynaEye 給与支払報告書OCR」を機能強化し、12月上旬より提供開始すると発表した。帳票の確認・修正から税務システムへの連携までを自治体内で完結できる2つの新アプリケーション、「確認修正アプリ」と「出力変換アプリ」を提供する。

 「DynaEye 給与支払報告書OCR」は、給与支払報告書に含まれる「総括表」「仕切紙」「個人別明細書」を自動で判別し、AI-OCRによって高精度に認識するAI-OCRソフトウェアである。

 PFUによれば、給与支払報告書の処理は、紙で届いた帳票の仕分けや枚数確認、手入力、税務システムへの登録など、複数の工程に分かれており、職員の手作業による負担が大きい業務だったという。そこで今回の機能強化では、これらの工程を一気通貫で支援する「確認修正アプリ」と「出力変換アプリ」を新たに提供。帳票の受け取り後から税務システム連携までを、職員だけで効率的に処理できる運用を実現するとのこと。

 このうち「確認修正アプリ」では、OCR結果を画面上で直感的に確認・修正可能。給与支払報告書では記載されない項目が非常に多く、従来は空欄の項目も1つひとつ確認しながら、エンターキーで進める必要があったが、同アプリでは空欄をスキップすることで、記載された項目だけを効率的にチェックでき、確認作業の負担を軽減するとしている。

 さらに、OCR結果の確からしさに応じて確認対象を絞り込む機能を搭載しており、帳票の特性に応じて使い分けることで、より効果的な運用が可能とした。

 また、総括表に記載された特別徴収・普通徴収の提出枚数と、実際の個人別明細書の枚数を画面上で簡単に照合できる機能も搭載。徴収区分を自動で判別し、それぞれの枚数をカウントできるため、紙を1枚ずつめくって目視で数え、総括表と照らし合わせていた従来の作業が不要になる。

 一方の「出力変換アプリ」では、主要な税務システムに対応した形式への自動変換が可能。監視対象フォルダーを指定し、変換形式を選択するだけの操作で、給与支払報告書のデータを税務システムに取り込むためのファイルへと自動変換できる。

 これまで使っていた税務システムにそのまま連携できるため、新しい操作を覚える必要はなく、従来の運用を維持したまま、AI-OCRで読み取ったデータをスムーズに活用できるとのこと。

 なお、給与支払報告書の処理では、印字が薄い帳票やコピーによって画質が劣化した帳票など、印刷品質の低い帳票が含まれるケースがあるという。このような場合に対応するため、今回はAI-OCRの認識性能を強化しており、これらの帳票もOCR処理に割り当て可能となった。

 加えて今回は、個人別明細書の読み取りと「確認修正アプリ」「出力変換アプリ」をセットで利用できる新ライセンスを提供する。従量課金ではないため予算管理がしやすく、自治体でも安心して導入できるとのことだ。