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PFU、給与支払報告書に特化したAI-OCRソフト「DynaEye 給与支払報告書OCR」を強化

読み取り可能な項目が大幅に増加、後続システムへの連携もスムーズに

 株式会社PFUは10日、給与支払報告書に特化したAI-OCRソフトウェア「DynaEye 給与支払報告書OCR」を強化し、9月下旬より提供開始すると発表した。

 「DynaEye 給与支払報告書OCR」は、給与支払報告書に含まれる「総括表」「仕切紙(特別徴収、普通徴収)」「個人別明細書」を自動識別し、AI-OCRで高精度に読み取れるOCRソフトウェア。

 今回の強化では、利用企業からの要望に基づき、「個人別明細書」の「摘要欄」の記載内容など新規60項目の読み取りに対応し、読取項目が従来の65項目から全125項目に拡大。業務に必要とされる全項目がAI-OCRで認識可能となった。また、「摘要欄」に特定のキーワードが記載された場合に結果を出力する機能が追加され、入力に不慣れな担当者による、項目の見落としを防げるとのこと。

 さらに、「総括表」の読取項目が拡大され、「法人番号」「指定番号」「報告人員数(個人別明細書の枚数)」など、後続処理で必要となる6項目を認識可能にしている。

今回読取可能となった項目:オレンジ
前回からの読取項目:水色

 加えて、必要な項目だけを使いやすい順に並び替え、CSVファイルに出力する機能を搭載した。自治体によって異なる読取項目に柔軟に対応し、既存の後続システムの仕様に合わせて出力することでスムーズな連携を実現するという。また、認識に使用した画像ファイルを低解像度に変換して保存可能になった。これによって保存する画像ファイルのサイズを縮小し、ストレージの容量不足という課題に対応するとした。

 「DynaEye 給与支払報告書OCR」の価格(税別)は、「個人別明細書」のページ数に応じたランタイムライセンスが1ページあたり20円、購入必須のサポートパッケージが年間10万円。またメディアパック(DVD)が1万円となる。

 なお今後は、給与支払報告書のデータ入力に対応した業務システムと連携し、AI-OCRを利用できるようにする計画で、第1弾としては、リードコナン社の住民税課税支援システム「税務LAN」と、2024年秋に連携する予定だ。

 このように、AI-OCRに対応した業務システムと連携し、認識結果を自動で取り込めるようにすることで、AI-OCRを単独で起動して認識結果のファイルを業務システムに手動で取り込む、といった手間がなくなるとのこと。