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アビームコンサルティングとGXコンシェルジュ、サステナビリティ経営を実現する「SSBJ保証準備・開示伴走支援サービス」を提供
2025年10月21日 11:00
アビームコンサルティング株式会社と株式会社GXコンシェルジュは20日、サステナビリティ情報開示基準(SSBJ)への対応を起点に、企業のサステナビリティ経営を支援する包括的サービスの第二弾として、「SSBJ保証準備・開示伴走支援サービス」を提供開始した。
2027年3月期以降、時価総額が3兆円以上の日本の上場企業から、SSBJ開示ルールへの準拠性や保証可能性を踏まえた正確な情報開示が順次求められる。SSBJでは、サステナビリティ関連のリスクおよび機会に関する重要情報(マテリアリティ)の開示が義務付けられるが、マテリアリティ分析やリスク・機会の評価、GHG排出量(スコープ3)の算定、ガバナンス体制の整備など、実務には高度な判断と専門知識が必要となる。さらに、グループ全体での対応や将来的な保証取得まで見据えると、社内リソースだけで網羅的かつ正確に対応するのは難しい。
2025年8月に提供開始した「SSBJ/ESRSクイックアセスメントサービス」では、企業の現状把握、課題と解決の方向性整理を支援してきたが、実際の現場では、保証準備や開示実務における部門間連携や第三者保証人との協議、実務レベルでの開示対応など、より高度かつ実践的な課題が存在する。こうした課題を解決するため、新たに「SSBJ保証準備・開示伴走支援サービス」を提供する。
SSBJ適用業務におけるマテリアリティ分析では、事業分野別にSASB(米国サステナビリティ会計基準審議会)基準を考慮してリスク・機会を検討する必要がある。その際、気候変動シナリオやエネルギー動向などサステナビリティ推進担当部門が持つ知見の他に、各事業分野の市場動向や専門知見が不可欠であり、部門横断的な連携と調整が求められる。しかし、事業部門を巻き込んだ検討には、サステナビリティ推進担当部門に多くの作業負担や調整力が求められるほか、部門間での認識や優先度の違いによる情報収集や意思決定の遅れ、合意形成の難航など、実務上の課題が存在する。
SSBJ保証準備・開示伴走支援サービスでは、業界・財務報告・サステナビリティ知見とプロジェクトマネジメントスキルを持った専門コンサルタントが、サステナビリティ推進担当部門と共に事務局機能を担当する。マテリアリティ分析に不可欠な部門横断的な連携や調整、専門知見の集約を伴走支援し、高品質・高効率なSSBJ適用業務推進を実現する。
サービスで提供するアウトプットの一例としては、SSBJ適用に関する初期的なポジションペーパーとして、事業別バリューチェーン分析シート、事業別マテリアリティ分析シート(定性・定量)、全社マテリアリティ評価結果、収集情報リストなどを提供。また、ガバナンスとリスク管理の改定方針と、開示文章素案も提供する。
サービスは、SSBJ開示・適用対応にとどまらず、高品質なマテリアリティ分析を通じて、実効的なサステナビリティ経営の実現と、財務・非財務両面からの企業価値向上の基盤づくりを支援する。
アビームコンサルティングによるインダストリーへの深い理解、財務報告・サステナビリティ経営に関する専門知見、システム導入ノウハウと、GXコンシェルジュによる気候変動を起点とした制度面・技術面の専門的知見を融合し、高品質・高効率な開示対応の推進を実現する。
サステナビリティ推進担当部門が直面する多様な課題に対し、経験豊富なコンサルタントが伴走し、部門横断の連携や合意形成をサポートする。
GXコンシェルジュは、親会社である住友商事株式会社のSSBJ対応を支援している。住友商事は64カ国・地域で多岐にわたる事業を展開しており、サステナビリティ情報開示においても豊富なノウハウを蓄積している。住友商事への支援を通じて得た知見を、サービスの設計にも反映している。
SSBJ保証準備・開示伴走支援サービスの提供価格は個別見積もり。アビームコンサルティングとGXコンシェルジュは、サービスを通じて、企業の持続可能な成長と社会全体のサステナビリティ向上に貢献することを目指す。また、両社の専門性と実績を結集し、制度対応の枠を超えて、サステナビリティを経営・財務戦略に組み込むことで、企業価値の向上と社会的インパクトの創出を両立する支援を今後も継続して展開していくとしている。