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10月14日に迫るWindows 10のサポート終了、Microsoftは3つの対処方法を用意
2025年10月9日 12:20
日本マイクロソフト株式会社は8日、2025年10月14日にWindows 10のサポートが終了(End Of Support:EOS)するのに合わせ、報道関係者向けに説明を行った。
米Microsoft グローバル パートナー ソリューションズ部門 デバイス パートナー セールス担当バイスプレジデントのマーク・リントン(Mark Linton)氏は、「10月14日は、日本のお客さまにとって重要な日になる」と前置き。
「Windowsは、サポートポリシーに則ってセキュリティ更新プログラムや機能更新プログラム、技術サポートを提供している。2015年7月にリリースしたWindows 10は、約10年を経て、2025年10月14日にこれらのサポートを終了する。引き続き、PCやデータは利用できるが、セキュリティのアップデートが提供されない。そのため、セキュアな環境で利用できなくなる」と説明した。
その上で、「当社は、一定の基準を満たしたPCであれば、コントロールパネルからの簡単な操作で最新のWindows 11に移行できるようにしている。Windows 11への移行は無償である。なるべく早く移行してほしい」と呼びかけた。
また、Windows 10がサポートを終了する理由についてもあらためて説明。「セキュリティに対する脅威が進化しており、10年前のハードウェアやOSではそれに適応できない。OSをアップグレードすることで、セキュリティを高めることができる。Windows 11は最もセキュアなWindowsであり、個人および企業のユーザーはリスク対策を前に進められる」と述べた。
Microsoftでは、現在、国内市場で稼働しているWindows 10搭載PCの台数などは明らかにはしていないが、「Windows 7を搭載していたPCをWindows 10にアップグレードして使用しているお客さまをはじめ、古いPCを使っているお客さまがいるのは確かである。だが日本においては、強い勢いで更新が進んでいるととらえている。個人ユーザーでも、古いPCからの買い替えが進んでいる。パートナーが認知度を高め、どうすべきかといったことについてもメッセージを発信している。だが、まだできることはある。継続的に、新たなOSへの移行を促進するためのメッセージを出していきたい」と語った。
MM総研によると、国内では約6400万台のPCが稼働しているとみられ、2025年10月1日時点でのWindows 10のシェアは19%で、約1200万台が残っている。そのうち、700万台以上が個人向けPCであり、残りの500万台弱が法人向けPCだという。それに対して、Windows 11のシェアは70%に達し、約4500万台が稼働していると推計している。
なお、1年前の2024年10月時点では、Windows 11のシェアは55%、Windows 10のシェア34%で、15%のWindows 10ユーザーがWindows 11に移行したことがわかる。
Windows 11への3つの移行方法
Microsoftは、Windows 11への移行方法として3つの方法を用意している。
ひとつは、先に触れたように、現在使用しているPCのOSをWindows 11にアップグレードする方法だ。Microsoftでは、2025年10月14日以降も、継続的にWindows 11への無償アップグレードを提供することを明らかにしながら、早い段階での移行を促している。
リントン氏は、「Windows 11はアプリケーションの互換性が高く、セキュリティを担保できる。Windowsの優れたエクスペリエンスを体験してほしい」とする。
Windows 11へのアップデートが可能なスペックを持ったPCであるかどうかは、PC正常性チェックアプリで確認できる。同アプリは、こちらからダウンロードし、インストールすることが可能だ。
なお、Windows 11へのアップグレードにはTPM2.0を有効にすることが必須となっているが、昨今では、これを回避するツールなども出回っている。
リントン氏は、「そうした存在を認識してはいるが、ガイダンスに則った手順を取ってもらいたい。回避策を取った場合には、ドライバーの互換性がなくなったり、シリコンベンダーのサポートを受けられなくなったりする」と警鐘を鳴らした。
2つめは、Windows 11搭載PCへの買い替えである。AI PCをはじめ、PCメーカー各社が発売するWindows 11搭載PCに買い替えることで、最新の機能を快適に利用できる環境が整う。
「日本のユーザーは、PCのリフレッシュが進んでいる。OEMやチャネルパートナーによるエコシステムにより、これまでにない速さでリフレッシュできている。モダンなハードウェアへの移行を検討してほしい」とした。
3つめは、Windows 10 拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)を活用する方法である。Windows 10 PCをESUプログラムに登録することで、サポート終了後1年間となる2026年10月13日まで、セキュリティ更新プログラムを、毎月受け取ることが可能だ。
個人ユーザーであれば、Windowsバックアップを使用して設定をクラウドに同期するか、Microsoft Rewardsポイントで1000ポイントを利用するか、30ドルを支払うことでESUを利用できる。
また法人ユーザーは、1台あたり61ドルでESUへの登録が可能で、1年ごとの更新で、最大3年間まで更新できる。ただし費用は、2年目は122ドル、3年目は244ドルとなる。
ESUプログラムから更新プログラムをインストールするには、Windows 10のバージョン 22H2にしておく必要がある。
「12カ月間の延長によって、その間に移行計画を立案できるようにした。個人ユーザーのWindows 11への更新は、1台、2台を対象に実施するものであり、比較的容易に行える。そのため、ESUの提供は1年間に限定している。だが、政府機関や学校、企業では、更新への取り組みが複雑であることから、最大で3年間という期間を用意した。更新に必要なサポートは、パートナーとともに提供していくことになる」と述べた。