週刊データセンターWatch:

九州電力など5社、データセンター間の光ネットワーク連携で実証実験
2025年10月21日 06:00
九州電力株式会社、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)などの5社が連携し、分散型デジタルインフラの構築・検証を目的とする実証プロジェクトを開始する。九州各地に小規模データセンターを設置し、光信号による「APN(All-Photonics Network)」接続で一体的に機能させることを目指す。
電力インフラにかかる整備負担、データセンターの地域偏在などの課題を解消すべく、関連業界が一体となって取り組む「ワット・ビット連携」の方針が政府から示されている。5社によるプロジェクトはこれを受けたもので、九州エリアにおける再エネ活用、データセンターの地域分散により、電力とIT処理のバランス最適化を図る。
期間は2025年10月から2026年3月まで。当初は、九州の2拠点にデータセンター機能を配置し、分散させたデータベースサーバーが連携して適切にAI処理が行えるか確認する。この際、一般的な電気信号による通信ではなく、光信号を用い、いわゆるAPNを構成する。
各社の役割分担として、九州電力はプロジェクト全体の統括を行う。IIJはプロジェクト設計や進行管理を担当し、GPUサーバーをさらに提供する。株式会社QTnetはデータセンターと拠点間接続回線、1FINITY株式会社は光通信ネットワーク設備(光NIC)、株式会社ノーチラス・テクノロジーズが分散DB技術「劔“Tsurugi”」をぞれぞれ提供する。