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電通総研、複数のデータソースを横断検索し統合された回答を提示する「マルチRAGエージェント」を提供

複数のRAGエージェントが協働して情報検索と生成処理を実行

 株式会社電通総研は9月30日、AIエージェントプラットフォーム「Know Narrator AgentSourcing」上で動作する新機能「マルチRAGエージェント」を年内に提供開始すると発表した。10月より順次機能を提供する予定。

Know Narrator AgentSourcing マルチRAGエージェントの仕組み

 「Know Narrator AgentSourcing」は、複数のAIエージェントアプリケーションを利用可能な企業向けプラットフォーム。今回発表された「マルチRAGエージェント」は、複数のRAG(検索拡張生成)エージェントがそれぞれの専門知識や役割を分担し、協働して情報検索と生成処理を行うシステムで、複雑なタスクを複数のRAGエージェントが処理することにより、従来のRAGソリューションよりも高精度で信頼性の高い情報取得と回答生成が可能になるという。

 具体的には、まず、複数エージェントによる回答統合機能を10月より提供する。質問を受けた際に、エージェントが複数のデータソースから自律的に必要な情報を取得し、それらをまとめて1つの回答として提示する。例えば、社員が「育児休業」について聞きたい場合、「人事」「労務」「給与」のどのグループに問い合わせてよいかがわからなくても、質問を投げるだけでエージェントが各データソースから得られた情報を集約し、最終回答を作成するとのこと。

 その後、柔軟なエージェント構成と協働設定に関する機能を12月より提供する予定。この機能を利用すると、単に複数のRAGエージェントを組み合わせられるだけでなく、それぞれのエージェントがどのように連携するかを細かく設計できるほか、RAGエージェントごとの役割や連携のルールを柔軟に設定可能になるとしている。

 さらに電通総研は、今後、「マルチRAGエージェント」を多重に組み合わせたり、「Know Narrator AgentSourcing」上で作成したほかのエージェントとも連携させたりできる機能拡張を予定しているとのことだ。