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マイクロソフトとNTT東日本、デルの製品と組み合わせた包括サポートサービスを提供
(2013/2/20 00:00)
日本マイクロソフト株式会社、東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)、デル株式会社の3社は19日、各社のリソースをあわせ、中堅・中小企業やSOHOにおけるICT利活用を推進するために協業すると発表した。デル株式会社のWindows PC/タブレットと、NTT東日本の光ブロードバンド回線、サポートサービスを組み合わせてワンストップで提供する取り組みを、3月5日より開始する。
具体的な施策としては、日本マイクロソフトの企業向けの最新OSであるWindows 8 Proを搭載したPC/タブレットの特別モデルを、NTT東日本のICTサポートサービス「オフィスまるごとサポート」と、NTT東日本の光回線を利用することを前提として、デルが提供する。
オフィスまるごとサポートは、NTT東日本が、月額3780円から(PC 3台までの場合)の低価格で、光回線サービスの「フレッツ光」契約ユーザー向けに提供しているサポートサービス。PCやプリンタなどのハードウェアの初期設定から、インターネット回線の設定、OSやMicrosoft Officeといったソフトウェアの使い方指南までを一括してサポートするほか、電話サポートにとどまらず、リモートからPCを操作する遠隔サポート、出張サポートも含まれているため、PC/タブレット環境の導入・運用にかかわるサポートをワンストップですべて任せられるという。
特別モデルが設定されたPC/タブレットは、ノートPCのエントリーモデル「Vostro 2520」からスタンダードモデル「Vostro 3560」、アドバンスドモデル「Latitude E5530」までの3製品、デスクトップPCのエントリーモデル「Vostro 270s」、アドバンスドモデル「OptiPlex 3010」、コンバーチブルPC「XPS 12」、Windows 8タブレット「Latitude 10」など、計7製品が用意された。
これらの特別モデルは、Windows 8 Proを搭載しながらも、Vostro 2520/270sで最小構成価格が2万9980円に設定されるなど、市場価格よりも割安に設定されているとのこと。また特別モデルには、オフィスまるごとサポートのエージェントツールのインストーラが導入されているので、ユーザーはインストーラを起動させてエージェントを導入するだけで、簡単にサポートを受けられるようになる。
ただし購入するためには、前述のようにオフィスまるごとサポートに加入する必要があるほか、NTT東日本の光回線を利用すること(既設・新規加入は問わず)が必須となる。
なお、販売はデルのオンラインストアやコールセンターのほか、「当社の直販、代理店チャネルなど、従来の販売チャネルはすべて活用する」(NTT東日本の山村雅之社長)考え。今後はさらに、日本マイクロソフトのクラウドサービス「Office 365」についても、オフィスまるごとサポートサービスの対象にしていく。
中堅・中小企業のICT利活用を促進するのが狙い
3社がこうした取り組みを進める背景には、日本国内でのICT利活用が遅れている現状がある。総務省が行ったICT利活用に関する国際比較調査(2011年3月)によると、ICT基盤整備に関する評価では日本がトップなのに対し、ICT利活用に関する評価ではトップの韓国よりも約12ポイント低い18位に止まっており、「基盤はできているのに利活用ができていない」(NTT東日本の山村社長)状態が続いてしまっている。
この中でも大きな問題になっていたのが、「中堅・中小企業がICTを導入しようと思っても、従来はサポート窓口がバラバラで、何に起因してトラブルが起こっているかが分からず、そこが障壁になっていた」(山村社長)という点。そこで、PC本体のハードウェアから、OSやOfficeアプリケーション、回線とそれらに関するサポートまでをトータルに提供することで、ITの専任担当者がいない中堅・中小企業の負担を軽減し、ICTの利活用を進めよう、というのが今回の協業の狙いである。
一方、NTT東日本ではオフィスまるごとサポートの拡販や、中堅・中小企業領域における光回線の導入拡大も期待している。オフィスまるごとサポートは現在2万弱の契約数というが、山村社長は、「2014年度末までに20万契約まで持って行きたい」としたほか、光回線についても、「中小企業では相当数が光回線化されておらず、この取り組みを起爆剤に契約数を伸ばしていきたい」と述べた。