ニュース
日立、ノウハウの計画的な継承と定着を支援する「ノウハウ視える化・継承ソリューション」を提供
2025年4月24日 14:13
株式会社日立製作所(以下、日立)は24日、企業の実務に必要なノウハウの効率的かつ計画的な継承と定着を実現する「ノウハウ視える化・継承ソリューション」を提供開始した。価格は個別見積もり。
ノウハウ視える化・継承ソリューションは、日立が持つ製造業としての技能伝承の知見や、プロフェッショナル人財の育成を支援する「プロ人財視える化・育成ソリューション」での可視化手法を生かし、ノウハウの継承から、継承後のメンバーへの定着までを支援する。
ソリューションでは、実務ノウハウを可視化して暗黙知を解消するとともに、ノウハウの管理・継承プロセスを業務フローに組み込むことで、効率的かつ計画的なノウハウの継承を実現する。
具体的には、まず、部門やチーム内にある実務ノウハウのうち、既存の業務ドキュメントや手順書、過去の障害対応記録などの「形式知」を、ハーマンモデルに基づき、「技術」「業務」「プロセス」「人的コネクション」の4種類に分類する。その上で、製造現場の技能伝承に用いられる「多能工化」という手法と、プロ人財視える化・育成ソリューションでの可視化手法の応用により、メンバーの経験や勘といった「暗黙知」の把握を容易にし、把握した内容をドキュメント化することで、暗黙知の解消を可能とする。
可視化された実務ノウハウは、ダッシュボード画面を通じて、ノウハウの継承計画から教育、定着度までの確認ができ、ノウハウ管理・継承プロセスの業務フローに組み込むことで、進捗管理が容易となる。これにより、実際の業務に即したノウハウの継承を組織全体で実現し、メンバーの退職や異動に伴う業務の中断を防ぐ。また、経験値のばらつきを低減することで、企業における業務の継続性を確保し、競争力強化と安定した組織運営に貢献する。
また、ソリューションでは、生成AIによるノウハウの活用やメンバーへの確認テストを通じて、ノウハウの定着を支援する。具体的には、対象の業務やシステムに関して、生成AIがドキュメントをもとに実務ノウハウを効果的に抽出するとともに、チャット形式で問い合わせに回答することで、実務ノウハウの把握と活用を容易にし、継承スピードを向上させる。
さらに、生成AIが自動的に作成する定着度確認テストを、メンバーが定期的に実施することで、実務ノウハウの習得度を測ることが可能となり、ノウハウの定着状況を可視化できる。これにより、継承するノウハウの確実な習得や業務効率化、定着不足によるミスの低減を実現する。
日立は今後、メンバーの習熟度に応じた学習カリキュラムの自動生成や、実務ノウハウを学習したAIによる引き継ぎ、実務ノウハウの形式知化支援などの機能を拡充し、より効果的なノウハウ継承を実現していくと説明。また、ソリューションをさまざまな業種の企業や職種に展開し、業務の属人化や人財の流動化への対応などの課題解決に貢献するとしている。