ニュース

キンドリル、生成AIによるメインフレームモダナイゼーションに向けGoogle Cloudとのパートナーシップを拡大

 米Kyndryl(以下、キンドリル)は現地時間3月27日、Google Cloudとのパートナーシップを拡大し、生成AIを活用してメインフレームアプリケーションとデータのモダナイゼーションを効率化し、加速させると発表した。また、パートナーシップの一環として、キンドリルはGoogle CloudのAIおよびGeminiモデルのスペシャライゼーションパートナーとして認定された。

 協業では、キンドリルのメインフレームに関する専門知識やスキルと、Google Cloudの生成AI機能を組み合わせることで、メインフレームアプリケーションのモダナイゼーションを実現し、俊敏性を高め、クラウドネイティブのイノベーションを確実に推進するための方法を顧客に提供するとしている。

 キンドリルは、Google Cloudとの協業により、Gen AI Accelerator Programによる新しいメインフレームモダナイゼーションプログラムを提供する。このプログラムは、要件を満たした顧客が、サービス利用前のコミットメントなしでモダナイゼーションの取り組みを開始し、より迅速かつ具体的なROIを実現するために、アプリケーションとデータの統合またはモダナイゼーションの方法を明確に理解できるようにする。

 アセスメントの後には、顧客にモダナイゼーションの全体像と計画が提供される。Kyndryl Consultの専門家が、段階的なモダナイゼーションのアプローチで顧客をガイドし、少しずつ増えていく価値を示しながら、メインフレームのワークロードについて十分な情報を得た上で、意思決定を行えるようにする。

 キンドリルのデータ民主化の機能と、Google CloudのMainframe Connectorソリューションを組み合わせることで、メインフレームデータをGoogle CloudのBigQuery分析プラットフォームに統合および拡張できるようになる。

 これにより顧客は、メインフレームデータをGoogle Cloud BigQuery、Cloud Run、Cloud SQLなどに取り込み、データの可能性を最大限に引き出せる。また、動的なレポートやダッシュボードを構築することで、インサイトを向上させて、意思決定を強化できる。さらに、AIモデルのトレーニングを行って、予測および生成AIソリューションを作成し、イノベーションと業務効率を促進するとしている。

 キンドリルのメインフレームモダナイゼーション機能と、Mainframe Assessment Tool(MAT)、Dual Run、Mainframe Rewrite、Geminiモデルなど、Google Cloudのモダナイゼーション製品スイートにより、メインフレームのワークロードをクラウドに効率よく移行できる。

 この包括的なアプローチには、メインフレームアプリケーションの生成AIによるコード分析と文書化、メインフレームアプリケーションのGoogle Cloudの最新アプリケーションへのリライト、Google Cloudに最適化されたテクノロジースタックの構築、モダナイゼーションプロジェクトのテスト、認証、リスク軽減などが含まれる。

 キンドリルとGoogle Cloudはすでに、さまざまな業界の顧客に対して、共同でメインフレームのモダナイゼーションプロジェクトを行っていると説明。例えば、両社は大手保険会社におけるメインフレームのモダナイゼーションを実現するために協業しており、その際にはCOBOLをJavaに変換し、メインフレームアプリケーションをGoogle Distributed Cloudに移行した。これにより、顧客はデジタルトランスフォーメーションの目標を達成すると同時に、メインフレームのスキル不足とデータレジデンシーに関する規制要件に対応できたという。