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キンドリル、企業向け生成AIソリューションの提供でGoogle Cloudとの提携を拡大

 米Kyndryl(以下、キンドリル)は現地時間7日、責任ある生成AIソリューションの開発および顧客企業による導入を推進するため、Google Cloudとの提携を拡大したと発表した。

 キンドリルとGoogle Cloudは2021年から提携関係を締結し、Google CloudのAI機能とインフラを活用することで、ビジネス変革に取り組むグローバル企業を支援してきたと説明。今回の提携拡大は、Googleの大規模言語モデル(LLM)であるGeminiを含むGoogle Cloudの内製AI機能と、キンドリルの専門知識とマネージドサービスを組み合わせ、顧客向けに生成AIソリューションを開発・展開することを目指すとしている。

 重点を置く領域のうち、AIおよびデータ基盤におけるアドバイザリーサービスおよび実装サービスでは、キンドリルの包括的なアドバイザリーサービス、実装サービス、Kyndryl Consultが提供するサービスにより、顧客が自社のビジネス目標に沿って生成AIのユースケースを特定し、最適なデータ基盤を選定できるようサポートする。キンドリルは、Google Cloudの既存テクノロジーや、Geminiのような新たなテクノロジーを導入する企業をサポートしてきた経験を生かし、引き続きAIと生成AIを活用したビジネス変革を実現していく。

 また、ERPにCortex Frameworkを適用する領域では、Google Cloud Cortex Frameworkにより、Google Cloudに保存された顧客の統合基幹業務(ERP)データのビジネス価値を高めることで、生産性を向上し、イノベーションを促進するほか、新たな成果を生み出すきっかけとなる、より優れたビジネスインサイトを顧客に提供する。

 キンドリルの新しいLLMOps Frameworkによる生成AI導入の活性化では、AI活用における責任やコスト効率の「よくある課題」を解決するソリューションとして、Google Cloudの顧客向けにカスタムしたLLM Operations(LLMOps)Frameworkを新たに展開する。データモダナイゼーションの各種サービスにより、生成AIソリューションのために顧客のデータとデータ基盤を最適化することをサポートする。

 生成AIの開発を推進する専門性の強化では、Google Cloud Academy for Kyndrylに実務担当者が受講可能な研修やブートキャンプを拡大することで、AIやデータ分析領域におけるスキルを強化する。キンドリルは、Google Cloudの生成AI(Duet AI for Developersを含む)領域の専門性を強化するため、全従業員に投資しているほか、GoogleのServiceパートナー向け生成AIイニシアチブへの参画経験を持つため、生成AIソリューションの需要に対応し、Google Cloudベースのソリューションを顧客に提供する上で、優位なポジションを獲得したとしている。

 また、キンドリルとGoogle Cloudは、顧客向け生成AIソリューション開発に向けた早期コラボレーションの一環として、シンガポールを拠点とするスマート倉庫、コントラクトロジスティクス、およびeコマースフルフィルメントサービスのプロバイダーである、iHub Solutionsによるカスタマーサービス向け生成AIのパイロット運用を支援したという。