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NECと森永乳業、AIを活用し従来手法よりも早い段階での新製品需要予測を実現

 日本電気株式会社(以下、NEC)は7日、森永乳業株式会社が、NECの独自AI技術を活用した「NEC Advanced-S&OP ソリューション」の1つである「Advanced-S&OP 新製品需要予測ソリューション」(以下、新製品需要予測ソリューション)を導入したと発表した。森永乳業は今後、アイスカテゴリーにおいて、同社が保有する過去の販売実績やマーケティング施策データなどと、需給業務担当者の知見をもとに新製品の需要予測を行うとしている。

 今回NECが提供した「新製品需要予測ソリューション」は、独自の最先端AI技術と、データ分析プロフェッショナルの分析知見、SCM(サプライチェーン管理)およびS&OP(販売・操業計画)領域のプロフェッショナルの業務知見を組み合わせ、従来手法よりも早い段階での新製品需要予測を可能にするもの。

 NECと森永乳業は2024年10月~12月、この「需要予測ソリューション」を活用し、森永乳業のアイスカテゴリーを対象に、1)新製品需要予測を行う際に参考とする既存製品(以下、ベンチマーク製品)の選定、2)ベンチマーク製品と新製品の情報の差に基づいた需要予測――の2つの作業において、過去に発売された新製品需要予測の実証実験を行った。

 1)では、重視している販売チャネルや商品ブランド、取引先といった40種類以上の要素とそれぞれの重要度を特定し、モデル化。10点の異なる新製品を題材に、それぞれに対するベンチマーク商品をAIで選定した結果、人が選定したベンチマーク製品に対して、9割の確率で同様の商品が選定されたという。

 また2)では、ベンチマーク製品の売上実績とマーケティング施策などの因果関係をAIがモデル化したうえで、新製品の情報や計画値を用いて、販売開始から3カ月間の需要を予測した。また、この3カ月間の需要予測結果をもとに、発売から1年間および月次の需要予測も実施されている。

 その結果、取引先との商談結果から得る営業担当情報をもとに立てた需給業務担当者の計画と、ほぼ同等精度の需要予測結果を確認。今後、データ整理と継続的な分析により予測精度の向上が期待されることから、新製品発売時の需要予測として有効性があるとを評価され、導入に至ったとしている。