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NTTデータとオラクル、日本向けにソブリンクラウドのサービス強化に向け協業

NTTデータのデータセンターに「Oracle Alloy」を導入

 株式会社NTTデータと米Oracle(以下、オラクル)は23日、日本の企業および団体へのソブリン要件に対応するクラウドサービスの強化についての協業を発表した。

 NTTデータは、オラクルのクラウドサービスを自社データセンターで展開できる「Oracle Alloy」を、NTTデータのデータセンター内に導入し、NTTデータのクラウドサービス「OpenCanvas」を拡張し、データ主権要件への対応を強化する。Oracle Alloyの導入により、NTTデータの運用管理のもと、日本国内にデータを保持しながら、生成AI機能を含む150以上の「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」サービスを順次顧客に提供していくことを計画する。

 また、NTTデータは、Oracle Alloyの導入により、OpenCanvasを拡張した新サービスを、分散化した2つのデータセンターで提供することを計画する。2025年12月末から東日本リージョンで、2027年3月末までに西日本リージョンでの提供開始を予定する。NTTデータは、OpenCanvasにおいて、2030年までに1000億円の売り上げを目指す。さらに、日本国内展開後、グローバルビジネスの拡大も視野に入れる。

 オラクルは2024年4月に、日本におけるクラウドとAIインフラの需要拡大に対応するため、今後10年間で80億ドル以上の投資を計画していることを発表している。この計画のもと、Oracle Alloyなどの国内運用チームを強化しており、今回の協業においてもNTTデータの「Oracle Alloy」導入、運用を国内で支援していく。

 NTTデータは、データセンター戦略として、AI活用支援に向けたデータセンター設備の増強と、ソブリンニーズに対応するサービス強化を実施していると説明。ソブリンニーズに対応するサービス強化の一環として、今回、Oracle Alloyの導入によるOpenCanvasの機能強化により、顧客はデータ主権が担保されたOpenCanvasの環境で、新規のサービスを迅速に構築し、自社でカスタマイズした独自サービスとともに、OCIの最新のIaaS、PaaSサービスを利用可能になるとしている。

 これにより、これまでパブリッククラウドへの移行が進まなかった機密性の高いデータやシステムの移行を促進し、安全で豊富なサービスラインアップがそろった環境で、より幅広く活用したいと考えている金融、通信、公共、公益などさまざまな業界の顧客に向けサービスを提供していくとしている。

 また、今後、NTTグループによるIOWN構想や、NTT版大規模言語モデル(LLM)であるtsuzumiなど、NTTグループの革新的な技術を利用し、クラウド・AI活用を含む日本の顧客の多様なニーズに対して、さらなるサービス強化の実施を検討していくとしている。