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Snowflake、AIデータクラウドの活用プログラム「Snowflake on Snowflake」のアーキテクチャや事例を紹介

 AIデータクラウドを提供するSnowflake合同会社は21日、「Snowflake for IT」(ITのためのSnowflake)に関する記者説明会を開催した。説明会では、Snowflake Chief Information and Data Officer(最高情報責任者 兼 最高データ責任者)のサニー・ベディ氏が来日し、自社内におけるAIデータクラウドの活用プログラム「Snowflake on Snowflake」について紹介した。

Snowflake Snowflake Chief Information and Data Officerのサニー・ベディ氏

 「Snowflake on Snowflake」は、Snowflakeが提供するAIデータクラウドのソリューションを、同社が顧客第1号となって自社導入・活用し、そのフィードバックをエンジニアリングチームやプロダクト開発チームに伝えていくプログラム。ベディ氏は、「このプログラムによって、どのようなフィーチャー、どのようなイノベーションであっても、市場にリリースする際には、顧客が喜ぶものになっている」と、その狙いを話す。

 同プログラムで実際に社内導入しているAIデータクラウドのアーキテクチャについては、「ホストシステム」「データインジェクション」「ウェアハウスマネジメント」「AI/ML&データインフラ/ファンクションズ」「データコラボレーション」の5つのソリューションで構成されていると説明する。

 具体的には、「ホストシステム」では、経理や財務、営業、セキュリティ、ITエンジニアリングなど、さまざまなアプリケーションが利用されており、その数は約300種類にも及ぶという。「データインジェクション」では、データ共有およびデータコネクタを提供し、各種アプリケーションからのデータがシームレスに取り込まれることを担保する。「ウェアハウスマネジメント」では、取り込んだデータを「スノーハウス」と呼ばれるデータウェアハウスに格納・管理する。

 そして、「AI/ML&データインフラ/ファンクションズ」では、LlamaやMistral Largeなど最新のLLMが組み込まれており、「スノーハウス」に格納されたデータに対して、容易にAIやMLを活用することができる。また、「Snowpark」によって、PythonやSQLなどあらゆるプログラミング言語の機能をサポートする。最後の「データコラボレーション」では、AIやMLを活用してアウトプットしたデータを、顧客やパートナー、サプライヤーなどと共有するためのソリューションを用意している。

 さらに、これら5つのソリューションを横断的に支えるビルトインガバナンスソリューションとして「Snowflake Horizon」を実装。AIデータクラウドにおけるコンプライアンス、セキュリティ、プライバシー、相互運用性、アクセスの各機能を統合的にサポートしているという。

 このAIデータクラウドのアーキテクチャを踏まえたうえで、自社内での活用事例についてベディ氏は、「当社では、新入社員のオンボーディングのためにAIデータクラウドを活用している。具体的には、新たに入社した社員向けにAIアシスタントを提供し、効率的に業務が進められるようAIがサポートする。例えば、外部アプリのインストール方法や出張した際の経費精算の方法など、業務の中でわからないことや疑問に思ったことをAIアシスタントに質問すれば、すぐに解決策を提示してくれる」と、デモを交えながら紹介。

 「AIアシスタントを利用することで、入社したばかりの社員でも、わざわざ同僚や先輩社員に尋ねることなく、ヘルプデスクも使うことなく、スムーズに業務を行うことが可能となり、社内の生産性向上にも貢献している」と、導入効果を強調した。