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クニエ、EUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令)への対応支援サービスを提供

 株式会社クニエは26日、「CSRD(企業サステナビリティ報告指令)対応支援サービス」を提供開始した。

 欧州連合(EU)で2024年1月に施行されたサステナビリティ開示規制「CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive)」は、企業による事業活動が社会や環境に与える影響を把握し、定期的に情報開示することを義務付けている。

 CSRDでは、EUサステナビリティ開示基準(ESRS)として、「横断的な基準」「環境」「社会」「ガバナンス」の4つのカテゴリーにおける合計12の基準を設定しており、対象となる企業はESRSに沿って定期的に情報開示を行う必要がある。また、「ダブル・マテリアリティ」の原則が規定されているため、サステナビリティに関する事項が企業の業績や財務状況に与える影響だけではなく、企業活動が環境・社会・ガバナンスに与える影響についての開示も求められる。

 EU域内でビジネスを行う企業は、その売り上げや従業員数などに応じて順次、CSRDの対象となることが定められており、早ければ2025年度にはEUで一定規模以上の事業を行う日本企業に対しても適用される予定となっている。EUで一定規模以上の事業を展開する日本企業は、適用開始までに情報開示の準備を進める必要がある。

 CSRD対応支援サービスでは、CSRDへの対応プロセスを「ダブル・マテリアリティ分析」「CSRDギャップ分析」「行動計画策定」の3つのフェーズに分類し、クニエのコンサルタントとNTTデータスペインのサステナビリティ専門家がすべてのプロセスを包括的に支援する。これにより、企業が社会・環境にもたらす影響に関する情報を収集・分析し、CSRDが求めるサステナビリティ情報開示レベルに基づく情報の整備や、基準を満たすための改善を計画することを可能とする。

 CSRDへの対応プロセスにおいては、NTTデータスペインが開発した「CSRD Gap Analysisツール」を活用しながら進めることで、迅速で効率的な形で対応を進められる。

CSRD Gap Analysisツール ダッシュボード利用イメージ図

 なお、EUでは今後、6つの環境目標からなる「EUタクソノミー」、5分野36の気候変動リスクからなる「気候リスク評価」についても報告義務が課せられる予定となっている。CSRDの報告基準であるESRSにも「EUタクソノミー」「気候リスク評価」と関連の深い項目があることから、サービスに加えて、「EUタクソノミー」「気候リスク評価」への対応を併せ、包括的に支援することも可能としている。

 CSRD対応支援サービスの期間は2カ月から、費用は200万円から(個別見積もり)。クニエは今後も、CSRD対応支援サービスの提供をはじめ、気候変動対策や人権尊重など、サステナビリティ領域で培った豊富な経験・知見に基づくコンサルティングサービスを提供し、各企業のマテリアリティへの対応、サステナビリティトランスフォーメーション(SX)を支援するとしている。