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アシスト、自社サポートセンターにAIアシスタント「Glean」を導入 生成AIの活用で業務を効率化

 株式会社アシスト、横断検索×チャット機能のAIアシスタント「Glean(グリーン)」を、自社サポートセンターにて活用していると発表した。

 アシストのサポートセンターでは、主要取扱製品の利活用や課題に関して顧客企業から寄せられる年間4万件以上の問い合わせに対し、約200名の専任体制にて対応している。そのサポートセンターにおいて、2023年初めより、サポート業務の効率化・高度化、人材育成の加速化を図り、さらなる顧客満足度の向上を目指すための取り組みとして、ChatGPTの業務への適用を検証するプロジェクトが発足した。

 このプロジェクトではまず、データ活用分野で問い合わせ数が多い2製品を対象に実証実験を行ってみたものの、情報漏えいリスクの観点から、サポート業務に欠かせない社内ナレッジや顧客情報を利用できず、検証に用いるデータ範囲が、顧客向けに公開されている一部のナレッジに限定されるという点が大きな壁となったため、回答精度は期待を下回るものだったという。また、誤った情報がさも正しいかのように返答されるハルシネーションが発生してしまったほか、回答精度を上げるためにファインチューニングに取り組んだものの、工数がかかるばかりで成果はあまりなかったとのこと。

 そうした中で2023年9月に、アシストが顧客向けに販売している「Glean」にChatGPTと連携した生成AI機能が追加された。そこで、これまで使用していたChatGPTからGleanに全面的に切り替え、実証実験を再開したところ、プロジェクト進行を阻んでいた情報漏えいリスクやLLMのファインチューニングなどの障壁は、Gleanが標準提供するセキュリティ機能で払拭され、複数あるSaaSへの接続も、社員のユーザー権限に基づいてデータを収集・回答を生成できることから、サポート業務に必要なナレッジを迅速にまとめて取得できるという大きなメリットが得られたとした。

 また、Gleanへの問いかけ方(プロンプトスキル)にばらつきがあり、結果として回答スピードや品質向上が一様には実現しないという検証結果を受けて、実際にGleanを活用して効率化を実感したサポートエンジニアからのフィードバックや、入力したプロンプトを積極的に共有するなど、業務への融合を促進した。

 共有した情報には、事例確認、サンプルコードの作成・修正、回答作成に関する効率化、施策の壁打ち、顧客理解の支援などがあるとのことで、結果として、使うコツの理解が深まって現場での利用が促進され、2カ月後にはサポートセンターのエンジニアの80%以上がGleanを業務に欠かせないツールとして認識するようになったという。

 なおアシストでは現在、全社員にGleanが導入されるなど、全社を挙げて生成AIの実践とGleanの活用に注力しており、ほかにもさまざまな部門で業務効率化・改善に成果が出始めているとのことだ。