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セキュアワークス、新事業戦略「セキュアワークス・ジャパン 3.0」を発表
FY25年度から次の5年を見据えた成長戦略について説明
2024年5月23日 11:00
セキュアワークス株式会社は22日、FY25年度(2025年1月期)の事業戦略発表会を開催した。発表会では、新たな事業戦略として「セキュアワークス・ジャパン 3.0」を掲げ、製品・サービス事業、パートナー事業、戦略顧客・業種・地域(直販/ハイタッチ)事業における成長戦略について説明した。
まず、最新のサイバー脅威の動向と求められるセキュリティ対策について、セキュアワークス 代表取締役の廣川裕司氏が解説。「日本企業においてもランサムウェアを中心にしたサイバー脅威の被害は年々増加しており、攻撃対象領域も急拡大している。また、サイバー脅威の複雑化により、ログ・アラート量が肥大化し、悪性判断が困難になりつつある。さらに、最新のランサムウェアは、侵入してから実行するまでのスピードが速まっており、検知してから対処するまでの猶予時間は数時間しかなくなってきている。もはや、個別製品で対応していた従来のセキュリティ対策では限界であり、ITインフラ全体でセキュリティを向上し、サイバー脅威に対して迅速かつ精度の高いアクションが求められている」と指摘した。
こうしたニーズに対応するため、同社がグローバルで推進しているのがXDR(Extended Detection and Response)ソリューションである。「当社はマネージドセキュリティサービス(MSS)で25年以上の提供実績があるが、6~7年前から、サイバー空間すべてのデータを収集・統合管理し、迅速に対応するXDRの開発にいち早く着手。グローバルで2021年2月、日本市場では2022年11月に次世代XDRソリューション『Taegis』をリリースした。『Taegis』は、XDRプラットフォームの『Taegis XDR』と24時間365日対応のMSS『Taegis ManagedXDR』で構成され、顧客のニーズにあわせて柔軟に提供している」という。
「Taegis」の主な特徴としては、「サイバー脅威を一元的に可視化し、既知・未知の脅威を検知」、「豊富な脅威インテリジェンス」、「自動化によるリソース負荷軽減」、「AIとマシンラーニングの活用」、「高いオープン性により豊富な製品・データ連携をサポート」、「『Taegis ManagedXDR』に社内10チームの叡智を結集」といった点を挙げ、「『Taegis』は今後も進化を続けていく。2024年は、攻撃対象領域のカバレッジ拡大や個別カスタマイズ、EDR、NDR、VDRなどの領域を重点的にエンハンスしていく」との計画を明らかにした。
FY25年度の事業戦略については、「当社は2013年の日本市場参入から、昨年で10周年を迎えた。参入から5年は事業基盤構築期、次の5年は成長加速期として、市場の成長をはるかに上回るスピードで事業規模を拡大させてきた。そして、これからの5年は、今まで築いてきた事業基盤を安定成長させるフェーズとし、新たな事業戦略として『セキュアワークスジャパン 3.0』を展開する。『攻撃者の先を行き、人類の進歩を確かにし日本のお客様を守る』をミッションに掲げ、国策でもある『DX with サイバーセキュリティ』の実現を支援し、日本経済の発展・顧客事業拡大・IT進化に貢献していく」との方針を発表した。
具体的な成長戦略としては、(1)XDRを中心とした最先製品サービスで拡大・進化する脅威・リスクを封じ込める、(2)「パートナー事業」を梃(てこ)にした大幅事業拡大、(3)CEM/CSM戦略・業界ごとの課題対応を拡大、(4)社内におけるGPTW・組織の強化、(5)社内における業務効率の向上--の5つの取り組みを推進していくという。
1つ目の成長戦略「XDRを中心とした最先端製品サービスで拡大・進化する脅威・リスクを封じ込める」について、セキュアワークス セキュリティコンサルティング統轄事業本部長の荒井俊貴氏は、「XDRソリューション『Taegis』の価値をさらに際立たせるために、各種テストやコンサルティングサービスとの連携強化を図っていく。例えば、脅威インテリジェンスでは、グローバルで収集した情報を独自の研究機関で実用的なインテリジェンスとして提供している。セキュリティ&リスク・コンサルティングでは、専門コンサルタントが各種テストなどによりセキュリティ管理体制の強化を支援する。インシデント対応&管理では、有事のインシデント対応に加え、平時でのインシデント対応計画策定支援やインシデント対応事前契約サービスを提供している。これらのサービスを『Taegis』と組み合わせて提案することで、『Taegis』の価値を最大化し、顧客のセキュリティ向上を支援していく」と述べた。
2つ目の成長戦略「『パートナー事業』を梃にした大幅事業拡大」については、セキュアワークス パートナー営業・ソリューション技術統括本部長の阿部祐亮氏が説明。「『セキュアワークス 3.0』に基づき、パートナー中心のビジネスに継続投資し、年内にパートナー案件を全体の50%以上に拡大することを目指す。重点施策としては、 旧基盤向けプログラムからグローバルパートナープログラムへの移行を促進し、パートナー紹介ウェブページの整備や拡販施策の強化、MSSPやサイバーリスクパートナーなどパートナービジネス全体の包括的な強化を図る。さらに、Business Operation Center (BOC) による一気通貫の支援体制の整備やJapan Partner Awardの発表など、パートナーによる案件提案を支援する取り組みにも力を注いでいく」としている。
3つ目の成長戦略「CEM/CSM戦略・業界ごとの課題対応を拡大」について、セキュアワークス 営業統括本部長 上級セキュリティエバンジェリストの松田敏幸氏が説明した。「まず、CEM(Customer Experience Management)戦略では、Global Sponsor shipを通じて既存顧客のビジネスインパクトの最小化を支援し、ロイヤル顧客のLife Time Valueを最大化していく。CSM(Customer Success Management)戦略では、33業種トップ3顧客の獲得を通じて、各業界固有の課題解決を支援することで、新規顧客の拡大を図る。また、OAに加えて、OT/IoT/Productにもサービスカバレッジを拡大し、顧客のビジネス全体の最適化を支援していく。そして、これまでの知見を生かしたコンサルティング営業による、中長期を見据えた一貫したソリューションの提供を強化していく」との考えを示した。
なお、セキュアワークスでは、同日付で、Sansan株式会社が、サイバーセキュリティ体制の強化とリスク削減のため、「Taegis XDR」および「Taegis ManagedXDR」を導入したことを発表した。Sansanでは、日本におけるサイバー脅威が増加の一途をたどるなか、自社のクラウド環境全体の脅威検知能力を強化するベンダーとして、セキュアワークスのXDRを採用したとしている。