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NTTPC、“攻めのDXへのシフト”をサポートする統合ネットワークサービス「Prime ConnectONE」

 株式会社NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)は、企業向け統合ネットワークサービス「Prime ConnectONE」(プライム コネクトワン)を発表した。7月31日より提供開始する。料金については、提供開始までに発表する予定。2028年に200億規模の売上を目指す。

 2006年に発表した企業向けネットワークサービス「Master'sONE」に続く、新しいブランドとして、WANを中心とするネットワークサービスを提供する。なお、従来のMaster'sONEブランドのサービスも引き続き提供する。

 Prime ConnectONEは、AIによるネットワークおよびセキュリティの運用自動化(AIOps)を最大の特徴としている。そのほか、マルチクラウドアクセスやセキュリティ機能なども備える。

 背景としては、クラウドの利用拡大や働き方の多様化によるセキュリティ対策の複雑化などから、情報システム部門の負担が増加していることが挙げられている。これに対し、人手をかけずにネットワークとセキュリティの運用ができるICTインフラ運用を高度化するものとして、Prime ConnectONEが作られた。

 NTTPCでは、Prime ConnectONEで人手による管理運用の工数を減らすことにより、その力で企業の収益拡大につながる、「攻めのDX」へのシフトをサポートすることをコンセプトとして掲げている。

NTTPC Prime ConnectONE

WANに運用自動化やセキュリティの機能を組み合わせた統合ネットワークサービス

 5月22にオンラインで開催された記者説明会では、NTTPC サービスクリエーション本部 本部長の三澤響氏がPrime ConnectONEについて解説した。

株式会社NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 本部長 三澤響氏

 サービスの機能としては、まず安定したネットワークが基本となる。拠点からインターネットに直接抜けるインターネットブレイクアウト接続も提供する。さらに、VPNやインターネット接続によるマルチクラウドアクセスも前提となる。

 そこにセキュリティとして、インターネットブレイクアウトにおいても危険なアクセスを遮断する機能や、マルウェア感染端末の自動隔離などの機能も組み合わせて提供する。

 AIOpsとしては、ダッシュボードによりすべてのトラフィックやトラブル原因を可視化する機能や、LAN/WAN切り分け機能、自動化により運用効率向上などを提供する。

Prime ConnectONEの概要

 サービス提供の背景として三澤響氏は、既存の顧客にヒアリングしてまとめた課題と、それに対するPrime ConnectONEの機能を紹介した。

 まずは故障対応。「故障はビジネスに直結するためすぐに対処したい」「全国に店舗があって情シスが駆けつけることができない」という課題だ。これに対しPrime ConnectONEでは、AIOpsにより自動で故障原因を特定して対応し、ダウンタイムを極小化することを目指す。

 続いて、インフラを少人数で運用管理していてひっ迫しているという課題や、レンタルルータ配下のLAN機器も含めて状態監視してほしいという課題がある。これらに対しは、LAN機器も対象とした状態監視として一元管理とLAN/WAN切り分けを提供し、ダッシュボードからLAN内の機器へのping試験なども可能とする。

 また、拠点のネットワーク開通リードタイムに関して、自社の日程都合に合わせて回線工事できないという課題がある。これについては、NTTPCが提供しているアクセス回線に加えて、顧客が自由に回線を選べるマルチアクセスに対応する。

 このほか拠点のセキュリティの問題としては、マルウェア感染拡大などのセキュリティのリスクも増大しているという点がある。そこで、インターネットブレイクアウトでの接続でも、危険なサイトへのアクセスを遮断するDNSセキュリティ機能を提供する。

企業の課題と、それに対するPrime ConnectONEの機能

段階的にAIOpsなどの機能を拡充

 2024年リリースの機能としては、まずダッシュボード一元管理によって、拠点の通信情報や申し込み状況などを見える化する。また、ダッシュボードから故障原因を特定して対応したり、マルウェア感染端末を自動で隔離したりしてダウンタイムを極小化する。

 そのほか、前述のとおり、マルチアクセスや、LAN/WANセキュリティ、インターネットブレイクアウトでのDNSセキュリティに対応する。

2024年リリースの機能

 なお、一元管理が可能なダッシュボードは、7月の開始時には、トラフィックレポートや、LAN/WAN切り分け機能、自動隔離機能、請求情報、ネットワーク/セキュリティ申し込み機能に対応。2025年にはAIOpsなどの機能を拡充し、AIによる自動故障検知や、アプリケーション利用状況把握、LAN配下機器(パートナー機器等)管理機能、申し込み進捗状況確認機能、故障復旧自動手配機能などを拡充する。

ダッシュボード機能の拡充予定

 ロードマップとしては、7月の開始時に、拠点間通信とクラウド接続、LAN/WAN切り分け機能、ダッシュボード一元管理、セキュリティ機能などを提供する。12月には、AIOps機能の拡充やセキュリティ機能の拡充、回線ラインアップの追加を予定。2025年に向けては、AIによるダッシュボード分析機能強化や、AIによるネットワーク自動運用、AIによるセキュリティ自動運用を予定している。

ロードマップ

 なお三澤氏はターゲットとして、小売業・飲食業のように拠点数の多い企業や、拠点数はそれほど多くなくとも少人数で情報システムの管理・運用をしている企業も想定して、両者に提供できる価格帯で提供したいと語った。