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DNP、国内統計データを基にした仮想のAI生活者と対話するマーケティングサービス「ペルソナインサイト」

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は16日、生成AIを用いて、日本の多様な生活者の“本音”をチャット上で再現するマーケティングサービス「ペルソナインサイト」を開発したと発表した。6月30日に提供を開始する。

 ペルソナインサイトは、総務省の統計データやDNP独自のデータを基にした仮想のAIペルソナとの対話を通して、生活者の本音や深層心理の把握を支援するサービス。このサービスを利用することで、コストと時間を要することが多いモニター調査を行うことなく、ペルソナとのチャットによる対話によっていつでも調査を行えるため、マーケティング施策の精度向上や、多様なニーズにあった商品・サービスの開発が期待できるという。

 具体的には、DNPが、「国勢調査」「社会生活基本調査」「家計調査」「労働力調査」など、日本の主要な統計データを生成AIに学習させ、日本人の年齢・性別・職業・健康状態・価値観の分布を反映した、現代日本の縮図とも言える100人のペルソナを構築した。

 さらに、リアルとネットの連携書店サービス「ハイブリッド型総合書店honto」における、性別・年代ごとの書籍購買情報に基づく興味・関心・トレンド情報を組み込むことで、最新の世相も反映しており、これらの学習データを毎年更新することで、常に最新の生活者像に基づいた調査を可能にするとのこと。

 また、企業が保有する過去の定量・定性の調査データを生成AIに学習させることで、特定の顧客層を再現した“カスタムペルソナ”も作成可能。より細かいターゲットのセグメンテーション(区分)を行えるので、ターゲットに合わせたきめ細かいマーケティング施策を展開できるとしている。

 なお、利用者の入力した情報が外部の生成AIの学習に利用されないセキュアなモデルを採用しているほか、導入企業ごとにデータを分離する、高セキュリティ環境で運用されていることから、同サービスを利用するほかの企業に自社の情報が漏れることはなく、安心して活用できるとした。

 DNPでは、飲料・食品・日用品メーカー等のマーケティング部門や商品開発部門を中心にサービスを展開し、2025年度までに15社の採用を目指す。

ペルソナを選定する画面のイメージ
チャットでペルソナへのインタビューが可能