ニュース
富士通、プライバシーに配慮した見守りを実現する「Fujitsuミリ波レーダ見守りシステム」
2025年6月17日 12:03
富士通株式会社は16日、プライバシーに配慮した見守りにより、介護従事者などの負荷軽減を実現する「Fujitsuミリ波レーダ見守りシステム」(以下、ミリ波レーダ見守りシステム)を、同日より国内向けに提供開始すると発表した。クラウド版、オンプレミス版の双方を提供する。
「ミリ波レーダ見守りシステム」は、カメラを使わず、ミリ波レーダーでプライバシーを保護しながら見守りを実現するシステム。介護施設、サービス付き高齢者住宅などの居室、バリアフリートイレといった、プライバシー保護の観点からカメラの設置が難しい空間において、利用者の安全を見守ることができるという。
このシステムでは、人の動きに加え、呼吸や筋肉動作などの体振動までを点群データとして収集し、富士通独自のAIで解析可能。これにより、動きの検知に特化したセンサーを活用した既存システムでは検知が難しい、呼吸の微細な変化や体振動の異常といった身体の異変も含めて、異常事態を自動で検知できる。
また、転倒だけでなく、その後の胸部の微細な振動までとらえられるため、従事者による速やかな対応が可能になる点がメリット。カメラでの映像記録を行わないため、プライバシーを確保しつつ、夜間や早朝などの従事者が手薄になる時間帯においても、24時間体制での見守りや管理業務を支援するとした。
このほか、異常検知を必要とするさまざまなケースについて、事前に検知対象や範囲を設定しておくことにより、特定の条件下にアラートを発報する機能を搭載する。例えば、人が転倒し転倒後に一定時間起き上がれない状態や、特定の位置に長時間滞在している状態、夜間の睡眠時の異常や呼吸状態の悪化など、人の特定の動作や状況に応じたアラート設定が可能。こうした場合のアラートの通知先を個別に設定しておくことで、最適な担当者へ迅速にアラートを発報し、初期対応につなげられるとしている。
なお富士通では、システムの提供開始に先駆け、イオンモール株式会社とのバリアフリートイレ内での実証実験や、公立大学法人和歌山県立医科大学との入院患者の転倒検知に関する実証実験などを通じて、さまざまなプライバシー空間で有効性を確認してきたとのことだ。