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NTT Com、中堅・中小企業が導入しやすい生成AIサービス「Stella AI for Biz」

人材不足など、DXを進める際の課題解決につなげるパッケージソリューション

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は16日、中堅・中小企業をターゲットとした生成AIサービス「Stella AI for Biz」を提供開始したと発表した。生成AI導入によって業務効率化を進め、人材不足など、DXを進める際の課題の解決につなげていくことを目指すとした。同社では、初年度に5万IDの導入を目標としている。

 同サービスは、ドコモグループの新規事業創出プログラム「docomo STARTUPTM」からスピンアウトした株式会社SUPERNOVA(スーパーノヴァ)と共同開発したもの。生成AIに興味を持っているものの、導入方法などに悩む中堅・中小企業でも導入しやすいよう、顧客から寄せられる課題をもとにした最適なソリューションの組み合わせを提供し、導入時の課題から導入後の運用定着まで、現場に入ってサポートするパッケージとなっている。

IT部門がない中堅・中小企業でも導入しやすいパッケージソリューション

 新サービス「Stella AI for Biz」は、IT部門がない中堅・中小企業でも導入しやすい生成AIサービス。「独自に生成AIを使える人にも、これまでは生成AIを使うことができなかった人にも、どちらにも使ってもらえるサービスを目指している」(スーパーノヴァ 代表取締役社長の木本東賢氏)。

株式会社SUPERNOVA 代表取締役社長の木本東賢氏

 特徴として、複数の最新AIモデルに対応、直感的で日常業務になじむUI・UXを採用、AIの利用方法が貯まるワークスペース機能を搭載――などがある。

 複数の最新AIモデルに対応するのは、AIモデルが古く、思うような成果を得られないという事態を避けるため。最新AIモデルへの対応を迅速に行い、AI性能を最大化する。今回、Claude Sonnet 4を使い放題で提供し、それ以外のAIモデルは毎月提供されるクレジットを消費する形で利用する形態となっている。

最新AIモデルへの対応を迅速に行い、AI性能を最大化

 また、直感的で日常業務になじむUI・UXを採用することで、生成AIになじみのない利用者でも操作を行いやすくした。Web版に加えてモバイルアプリを提供するほか、Webブラウザ、Word、Excel、PowerPointなど、日常業務で頻繁に使用するアプリケーションごとにカスタマイズされた拡張機能群「Stella Extension for Biz」も用意。ワンクリックでの要約や翻訳、選択範囲の解析など、誰でも簡単に、アプリケーションに適したAI活用を行えるとのこと。

直感的で、日常業務になじむUI・UX

 3つ目の特長であるワークスペース機能は、利用者のAI利用が増えることで、ファイルを蓄積し、グループでの共有も行える機能。任意のグループでAIのユースケースをテンプレートとして貯めることができ、AIの使い方がわからない人でも、テンプレートをきっかけに利用を始められるとした。

AIの利用方法が溜まるワークスペース

 このほか、ドコモビジネスパッケージの新しいラインアップとしてStella AI for Bizが加わったことで、導入前から導入後の支援までをカバーする「使いこなしサポート」を提供。初期費用は無料で、1IDごとに月額1980円の月額利用料金には、使いこなしサポートの費用が含まれる設定となっている。また、ビジネスdアカウント&PCパック/スマホを契約する場合は、申し込み時から3カ月の月額費用が無料となるセット割りも提供する。

使いこなしサポートを提供

 なおNTT Comは、7月1日付けで社名が「NTTドコモビジネス株式会社」に変更される。NTT Com 常務執行役員 ソリューション&マーケティング本部長の本髙祥一氏は、「大企業から全国の中堅・中小企業まで、法人のお客さまの社会課題を解決する、産業と地域DXのプラットフォーマーを目指していく」と述べた。

NTTコミュニケーションズ株式会社 常務執行役員 ソリューション&マーケティング本部長の本髙祥一氏

 さらに、「国内拠点54拠点を持ち、全国、北海道から沖縄まで各都道府県に直営の営業拠点を設け、お客さまと直接話をすることができる。契約しているお客さまの社数も約62万社ある。実は、そのうち99%が中堅・中小企業のお客さまとなっている」(本髙常務執行役員)と説明。全国に拠点を持ち、多くの中堅・中小企業が顧客となっていることが、今回の新サービスを提供する前提だと話した。

 新組織では、法人事業の重点領域として、1)IoT、2)AI、3)デジタルBPO、4)地域・中小DX――の4点としている。

 「今回の新サービスは、この4点の重点領域のうち、AIと地域・中小DXに該当する。中堅・中小企業のお客さまと話を進めている際、課題として挙がることが最も大きいのが人材不足。多くの中小企業経営者の皆さまが最大の課題として挙げている。人材不足をカバーするためには、DXを進め、業務効率を向上し少ない人数でビジネスを進めることが不可欠となるが、どうしたらよいのかわからない。AIなどを導入しても使いこなせない。予算確保が難しいという声があがってくる。今回はこうした課題を解決することを意識し、新サービスを構築した」(本髙常務執行役員)。

法人事業の重点領域

 新サービスは、2年前から提供しているドコモビジネスパッケージのソリューションのひとつとして提供するが、ビジネスパッケージの特徴は顧客から寄せられる課題解決につながるよう、最適なソリューションを組み合わせて提供することと、導入時から導入後まで現場に入り込んでサポートを行うことが特徴となっていることから、「新サービスが多くの中堅・中小企業のお客さまのDXにつながるソリューションになれば」とアピールしている。

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