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チェック・ポイント、プラットフォーム戦略でセキュリティ防御のパラダイムシフトに対応

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社(以下、チェック・ポイント)は21日、戦略発表会を開催し、同社 日本法人社長の佐賀文宣氏が「セキュリティ防御のパラダイムシフトが起きている。これまでのようにセキュリティをそれぞれの製品で守るのではなく、プラットフォームとして守ることが重要だ」と述べた。

チェック・ポイント 日本法人社長 佐賀文宣氏

 プラットフォーム戦略は、チェック・ポイントにとって最も重要な部分となる。それを具現化したのが、「Check Point Infinity Platform」だ。同プラットフォームについて佐賀氏は、「AIを駆使してクラウドで提供していることが特徴だ。50以上のAIエンジンが搭載されており、すでに年間30億件もの攻撃を防御している」とした。

Check Point Infinity Platform

 チェック・ポイントのプラットフォームは、すべて3つの「C」がベースになっていると佐賀氏は言う。3つのCとは、「Comprehensive」(包括的)、「Consolidated」(統合的)、「Collaborative」(協働的)のことだ。

3つの「C」とは

 「包括的とは、プログラムのコードから、クラウド、ネットワーク、メール、IoTに至るまで、すべての攻撃経路や攻撃ベクトルに対し、検知と防御ができるようにすること。統合的とは、セキュリティ運用の管理と対応作業を効率化し、本当に対処が必要な部分にリソースを集中できるようにすること。そして協働的とは、他社製品とも連携して脅威インテリジェンスを共有し、防ぐ能力を高めることだ」と佐賀氏。2024年は、この中でも特に「協働的」の部分の開発を進めていくという。

 チェック・ポイント セキュリティー・エンジニアリング統括本部 執行役員 統括本部長の永長純氏は、「ネットワークやクラウド、IoTなど、さまざまな領域に対応するソリューションを採用しサイロ化してしまうと、大規模攻撃には対応できなくなる。だからこそ、それぞれの領域のものを協働的に防御していくことが重要になる」と話す。

チェック・ポイント セキュリティー・エンジニアリング統括本部 執行役員 統括本部長 永長純氏

 また永長氏は、同社のプラットフォームと他社のいうプラットフォームの違いについて、「他社製品では、プラットフォームを提供すると言いつつも、領域ごとに異なるユーザーインターフェイスを持っていることが多く、5つ以上のインターフェイスで運用しなくてはならないこともある」と述べ、「チェック・ポイントは単一のインターフェイスですべての状況を把握できる唯一のベンダーだ」とした。

 佐賀氏は、今年の同社開催グローバルイベントで発表したセキュリティアシスタント「Infinity AI Copilot」も紹介した。Infinity AI Copilotは、Infinity Platformに組み込まれた生成AIエンジンで、「セキュリティのポリシー設定や変更、脅威の発見や修復作業を、対話型で支援する」という。もちろん、生成AIのため日本語での利用も可能で、「これによってセキュリティ管理に必要な時間を最大90%削減できる」と佐賀氏は述べている。

 この機能は、MicrosoftやOpenAIの生成AIとも連携しているというが、セキュリティログはMicrosoftやOpenAIと共有されることはなく、大規模言語モデルのトレーニングデータとしても使われることもないという。

Infinity AI Copilot

日本でプロフェッショナルサービスも開始

 日本での取り組みについては、「エンタープライズの既存顧客には、オンプレミスからクラウドへのシフトを中心に、ハイブリッドネットワーク環境へのシフトが効率的に進められるよう支援する。また、そのような顧客に対し、チェック・ポイントのクラウドセキュリティサービスやメールセキュリティソリューション、SASEなど、最新のセキュリティ製品を提案していく」と佐賀氏。

日本での取り組み

 また、プロフェッショナルサービスの「Infinity Global Service」も国内での提供を開始したとしており、「同サービスを活用することで、新ソリューションの導入や運用も容易になる。また、これまで日本の顧客には提供できていなかったインシデントレスポンスサービスなども提供できる体制が整った」と述べた。

 こうした取り組みにより、2023年10~12月および2024年1~3月では、「エンタープライズビジネスの新規契約が20~30%成長した」と、佐賀氏は国内ビジネスが好調であることを強調している。