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チェック・ポイント、新セキュリティ構想「ハイブリッドメッシュアーキテクチャ」を発表
2025年6月20日 11:00
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社(チェック・ポイント)は19日、ハイパーコネクテッドな世界を保護する新たなセキュリティ構想「ハイブリッドメッシュアーキテクチャ」を発表するとともに、日本市場での戦略について説明会を開催した。
Check Point Software Technologies サイバーエバンジェリスト責任者のブライアン・リンダー(Brian Linder)氏は、現在のビジネス環境について、「さまざまなシステムやサービスが複雑につながるハイパーコネクテッドな世界になっており、この状態が新たな脅威をもたらしている。また、AIの活用でビジネスが恩恵を受ける一方で、AIによって攻撃の高度化も進んでいる」と語る。
そこでチェック・ポイントでは、ハイブリッドメッシュセキュリティアーキテクチャと、単一プラットフォームによる統合管理、そしてオープンガーデンアプローチによって、分散型ハイブリッドセキュリティフレームワークを構築しているという。
リンダー氏によると、ハイブリッドメッシュセキュリティアーキテクチャとは、オンプレミス、クラウド、モバイルデバイスなど、複数の異なる環境にわたって統合されたセキュリティ保護を提供する最新のネットワークセキュリティモデルのこと。この複雑なメッシュ型環境を統合管理するため、単一のプラットフォームを据え、全体の運用効率とセキュリティレベルを高めるという。
オープンガーデンアプローチでは、多様なパートナーと連携し、エコシステムを形成。買収や提携などによって専門的なパートナーと協力することで、複雑なセキュリティ課題に対応し、ポートフォリオも拡大できるとしている。
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ 日本法人社長の佐賀文宣氏は、同社のセキュリティレポートから、「日本は特に製造業でランサムウェアの被害が多い」と指摘。こうした背景から、「日本ではサプライチェーン全体への対応が求められており、製造業を中心に取引先や海外拠点を含めた広範かつ複雑なサプライチェーンへの対策が重要だ。また、クラウドやオンプレミスといったさまざまなIT環境や、柔軟な働き方の広がりに対応した多様性のあるIT戦略も必要。さらには、災害やサイバー攻撃に備えたBCPなど、継続性を重視した経営が求められる」とした。
こうした状況に対応できるのがハイブリッドメッシュセキュリティアーキテクチャで、チェック・ポイントでは「Infinity Platform」によってこのアーキテクチャを支えているという。
現在、欧米や日本を除くアジアではこのプラットフォームの導入が進んでいるが、「日本国内での浸透はまだこれから」と佐賀氏。「これほど製品を統合的に提案できるベンダーは限られており、その1社として日本のセキュリティプラットフォームを作り上げていきたい」と意気込む。
なお、日本での同社の活動は、3つの柱を軸としていると佐賀氏はいう。1点目は包括契約の促進だ。これは、技術面で多様な製品をまとめて提案するだけでなく、経済面でもエンタープライズ全体の包括的なライセンス契約を通じ、セキュリティプラットフォームの導入を後押しするものだ。
2点目はパートナービジネスを強化すること。従来型のファイアウォールパートナーだけでなく、SASEやメールセキュリティといった新たな製品分野に対応できるパートナーの育成にも注力するという。
3点目は、Infinity Global Servicesの日本語展開だ。設計や導入、運用、さらにはSoCなどのプロフェッショナルサービスを日本語で提供し、パートナーが対応できない案件や新規サービスを同社で直接提供し、そのノウハウをパートナーへ移転する。
こうした取り組みを通じ、「セキュリティプラットフォーム市場の日本での成長を牽引し、SASEを中心とした新しいセキュリティのグランドデザインを提案する。これにより、運用コストの高さや運用の煩雑さといった課題を克服できる」(佐賀氏)としている。