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BIPROGY、地域金融機関向け共同利用型クラウド勘定系サービス「OptBAE2.0」を2026年5月提供開始
2024年5月14日 08:30
BIPROGY株式会社は10日、地域金融機関向け共同利用型クラウド勘定系サービス「OptBAE(オプトベイ)2.0」を、2026年5月に提供開始すると発表した。
OptBAE2.0は、信用金庫業界初となる、Microsoft Azure上で稼働する利用型サービス。業務を効率化する機能群の拡充やAPIの拡充、BCP高度化機能を順次提供予定。サービスは、朝日信用金庫と京都信用金庫から次期勘定系システムとして採用決定を受けており、朝日信用金庫は2026年5月、京都信用金庫は2027年1月に本番稼働を予定している。
BIPROGYでは、近年、地域金融機関は少子高齢化や人口流出、事業承継、労働力確保など、地域の課題に対応するため、自社内DX推進や地域の顧客の利便性向上に貢献するサービス拡充などの活動を継続的に行う必要があると説明。しかし、地域金融機関が抱える従来の勘定系システム基盤は、数年に一度のハードウェア更改において多くの人的負荷が発生するほか、システム凍結期間が伴うことにより、業務改善や顧客への新しいサービス提供・拡大が阻まれるなどの課題を抱えているという。
OptBAEは、金融機関の自社戦略や地域課題に必要な機能の選択や、独自オプションにも対応できるサービス利用型勘定系サービス。地域金融機関のIT人材リソースをより戦略領域に活用できるサステナブルなサービスとするために、新たなシステム基盤としてMicrosoft Azureを採用し、新サービス提供の柔軟性、ハードウェア更改イベントからの解放、BCP機能の高度化により、地域経済の心臓とも言える決済インフラの安全性を高めるサービスを提供する。
OptBAE2.0は、金融機関独自の顧客価値を実現するメニューを提供し、地域経済を支える地域金融機関の持続的な成長とコスト最適化を支援する。
クラウドを採用することで、従来、定期的にハードウェアのサポート停止に伴うシステム基盤更改イベントが発生し、作業に要していたリソースやシステム凍結期間が不要となることで、ITリソースの戦略シフト、持続的な進化が可能になる。また、大規模被災時はMicrosoft Azureの東西リージョンを活用した自動切り替えが可能となり、止まることのないバンキングサービスを実現し、地域の決済インフラを支える。
また、DXに対する重要性や迅速な対応が求められる中で、自社IT人材リソースの継続的な確保が必要といった地域金融機関の課題に対し、共同化によるコストメリットを提供するとともに、他の利用金融機関の先進的なサービスをオプションとして利用でき、自社IT人材リソースに依存することなく、持続的に業務改善や顧客へのサービス拡大を可能とする。
営業店づくり支援サービス「COCOMFY(ココンフィ)」の営業店タブレット取引を活用することで、営業店事務の電子化・ペーパーレス化推進も可能。COCOMFYは、各種手続きをノーコードで開発できる機能を提供しており、金融機関の独自事務や情報の追加などを柔軟かつ迅速に対応できる。
さらに、ユーザー会を通じて、利用金融機関と機能強化・成長を議論することにより、金融機関が求めるサービス・機能をいち早く実現。また、利用金融機関間のノウハウの共有や開発知財の流通、情報系システムの共同開発など、利用金融機関間における業務効率化の可能性を広げる。
さまざまな取引をAPIで公開しているため、サブシステムや他のクラウドサービスとの連携が容易に行える。OptBAE2.0は、オンライン元帳情報を提供する機能を備えているため、他の情報系システムから実時間に近い情報が参照可能。これにより、各種情報系システムでのデータ利活用の幅が広がるとともに、新規機能を安全に開発できる。
BIPROGYでは、移行期間中の金融機関を含む、既存の顧客12金融機関に対して、順次OptBAE2.0への移行を支援していく。今後、OptBAE2.0はOptBAEをさらに進化させ、地域金融機関のコスト最適化を実現するデジタル化を推進するとともに、デジタルとリアルを融合させた顧客接点の変革など、地域金融機関の営業力強化を支援し続けるとしている。