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富士通とオラクル、データ主権要件に対応するソブリンクラウドの提供に向け戦略的協業
2024年4月18日 13:34
富士通株式会社と米Oracle(以下、オラクル)は18日、日本の企業・団体のデータ主権要件に対応するソブリンクラウドの提供に向け、戦略的な協業を発表した。
協業に基づき、オラクルは富士通に「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」の100以上のサービスを利用できる「Oracle Alloy」を提供する。富士通は、Oracle Alloyを導入し、国内のデータセンターの透明性を確保した安心・安全なデータ管理を支援する、「Fujitsu Uvance」の「Hybrid IT」のクラウドサービスとして、運用コンサルティングサービスおよび「Fujitsu Cloud Managed Service」と合わせて、日本国内の顧客向けに2025年度に提供開始する。
これにより、日本市場における地政学リスクや経済安全保障リスクへの対応に伴い、システムならびにそのデータを国内に保管したいというデータ主権ニーズに対応する、ソブリンクラウドを提供するとともに、顧客の複雑化したシステム運用を最適化し、継続的な安定稼働を支援するとしている。
協業に基づき、富士通が国内のデータセンターから提供するOracle Alloyによるクラウドサービスでは、オンプレミス環境と同等の運用性確保によるOracle Databaseユーザーのクラウド利用を支援する。富士通が、顧客のシステムスケジュールを踏まえたクラウド環境のアップデートやパッチ適用のスケジュール調整まで実施するため、オンプレミス環境と同等の運用性を確保し、大規模なデータベースシステムを有する機密性の高いミッションクリティカルシステムのユーザー向けにクラウド利用を支援する。
また、安心・安全なクラウド利用・データ管理の支援として、顧客のデータ主権要件への対応と運用の透明性の確保を目的としたソブリンクラウドを提供していく。これにより、今後強化が見込まれる政府や特定業種に対する機密性・データ主権要件への対応を可能とし、顧客の安心・安全なデータ管理を支援する。
オンプレミスからハイパースケーラーの環境にわたって、運用・セキュリティポリシーの一元化を実現。富士通は、運用コンサルティングサービスや「Fujitsu Cloud Managed Service」を、富士通の国内データセンターから提供するOracle Alloyによるクラウドサービス向けにも提供する。これにより、オンプレミスからハイパースケーラーのマルチクラウド環境にわたり、顧客のビジネスニーズに合った包括的なサポートを提供し、運用・セキュリティポリシーの一元化を実現する。
今後、富士通とオラクルは、AIを活用してデータ主権要件への対応を高度化する「ソブリンAI」をはじめとする、最先端クラウドテクノロジーの活用を推進し、顧客のさらなるDXやビジネス成長を支援していくとしている。