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PwC Japan監査法人、企業のマルチクラウド活用に向けたガバナンス構築・高度化支援サービスを提供

 PwC Japan有限責任監査法人(以下、PwC Japan監査法人)は30日、マルチクラウド時代のガバナンス構築・高度化支援サービスを提供開始した。

 PwC Japan監査法人では、多くの企業が事業戦略に合わせて、複数のクラウドサービスを活用することが一般的となってきているが、一部の企業ではアプリケーションも含めたシステムアーキテクチャが見直されないまま、オンプレミス環境からクラウド環境に単純に移行している例も見受けられると説明。リフト(クラウド環境への移行)はできているものの、シフト(クラウド環境の最適化)には至っていない状況では、外部環境や各クラウドサービスの機能改善などの変化に柔軟に対応した最適化ができず、当初想定した投資効果を得られないことがあると指摘する。

 こうした場合には、原因を分析した上で、効率の良い別のクラウドサービスに移行したり、複数のクラウドサービスに分かれていたものを統合したりするなど、エグジットプランも意識した経営判断が必要となると説明。クラウドサービスの利用においては、導入時の指標に基づいた測定だけでなく、継続した改善とモニタリング活動が必要になるとしている。

 新たに提供するサービスでは、「ガバナンス指標の収集」「アセスメントの実施」「リスクの可視化」「IT投資効果測定」「継続的な改善とモニタリング」のサイクルにより、必要に応じてクラウドサービスの見直しの検討を支援する。

 ガバナンス指標の収集では、クラウドサービス利用ポリシーやセキュリティ、コンプライアンス、アクセス管理、変更管理、データ管理などの項目を収集する。これらの指標の策定を業界基準に基づいて行い、その後の定期的なモニタリングを通して、組織の実態に合わせた見直しを支援する。

 アセスメントの実施では、導入の段階においてはセキュリティ、コンプライアンス、コスト効率、リスク管理などが、重要な側面をカバーするための基本的なガバナンス要因となるとして、これらの要因に関連するガバナンス指標を適切に収集し、組織の成熟度のアセスメントを実施する。

 リスクの可視化では、経営者が迅速にリスク状況を把握し、必要な対応を指示するためのダッシュボードの整備をサポートする。ダッシュボードは、経営者に対してリアルタイムでの洞察を提供し、ビジネスに潜むさまざまなリスク要因に対処する際の効果的な指針を提供する。ガバナンスのアセスメント状況が可視的に表示されることで、経営陣の迅速な意思決定を可能にし、ビジネスの安定性と成長を確保するための具体的な対策を打てるようにする。

リスクの可視化と改善策の例

 IT投資効果測定では、マルチクラウドのメリットを最大限に引き出すために、各クラウドサービスの強みを理解した上で、利用者である企業のニーズに合う機能を最適に組み合わせ、継続的なリスク評価を通じてマルチクラウド環境のガバナンスを構築・維持できるよう、投資効果の測定を支援する。投資効果が見合わない場合は、クラウド活用戦略に沿わないクラウドサービスの利用停止や、他クラウドサービスへの移行の検討も含めてサポートする。

 継続的な改善とモニタリングでは、組織がクラウドを効果的に活用し、同時にそのリスクを最小限に抑え、変動する環境に迅速に適応するために、重要なツールとなるダッシュボードの構築を支援し、経営戦略と整合したガバナンスの実現をサポートする。

 PwC Japan監査法人は、各クラウドサービスの強みを理解した上で、企業のニーズに合う機能を最適に組み合わせ、継続的なリスク評価を通じてマルチクラウド環境のガバナンスを構築・維持することを支援し、企業がマルチクラウドのメリットを最大限に生かせるよう尽力していくとしている。