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アット東京とアルテリア、豊洲・有明エリアと芝浦・品川エリア間に東京港を横断する通信用光ファイバーケーブルを敷設

 株式会社アット東京とアルテリア・ネットワークス株式会社(以下、アルテリア)は19日、通信ケーブル設備の敷設および利用に関する協定を締結し、多くのIT企業が集積する豊洲・有明エリアと芝浦・品川エリア間に、日本で初めて東京港を横断する通信用光ファイバーケーブルを敷設することを決定したと発表した。

 アット東京とアルテリアでは、働き方改革や動画配信などリッチコンテンツの隆盛、DXやAI、IoTの普及などにより、データが集積するデータセンターの通信トラフィックは急増し続けており、通信を支える光通信設備の増強も急務となっていると説明。こうした社会的な需要に応えるため、弧状推進工法(以下、HDD工法)を用いて、東京港を横断する通信用光ファイバーケーブルを敷設するとしている。

 今回の通信用光ファイバーケーブルの敷設により、豊洲・有明エリアと芝浦・品川エリアを陸路と海路の冗長ルートで接続することで、さらに可用性の高いネットワークインフラを利用できる。既存の陸路のケーブルルートだけでは、災害時の浸水や液状化のリスクがあり、有事の際にネットワークが寸断される可能性があるが、今回の東京港横断通信用光ファイバーケーブルはHDD工法を用いて一気通貫の地中管路で東京港を横断するため、高耐性な海底地中エリアを船のアンカーなどによるケーブルの損傷を防ぎながら、陸路との異ルートを確保した高速大容量通信を担保するとしている。

 地上を経由するルートと比較して、東京港横断ルートは豊洲・有明エリアと芝浦・品川エリアを直線的に接続でき、より低遅延な通信を行える。アルテリアが提供する通信サービスでは、主要な海底ケーブルの終端である陸揚げ局が集中している千葉県南房総エリアおよび茨城県県北エリアへ容易に接続可能なため、海外への広帯域・低遅延の接続ニーズにも対応する。

 大容量・低遅延な通信環境により、自動運転や工場・産業用ロボット、ドローン配送や遠隔医療といった先端技術産業の実証・実現に寄与する。また、大容量通信が求められる動画配信や、急成長を続けるeスポーツなどのゲーム分野でも、低遅延の回線調達が常に求められることから、その産業全体が提供するサービスの質や利用満足度を高めることに貢献するとしている。

 アット東京は、2024年7月を目標に、既存データセンターに並ぶネットワーク接続拠点として芝浦・品川エリアに中央第3センターの新設を進めており、日本のみならずアジア・世界の主要な金融事業者やコンテンツプロバイダー、通信事業者らが集結する東京の情報インフラを支える立場で貢献すると説明。アルテリアは、通信インフラの立場から、IT企業が集積する豊洲・有明エリアとアット東京が提供する芝浦・品川エリアのデータセンター間を、最短経路で大容量かつ低遅延なケーブルルートで結び、柔軟かつ多様な通信サービスで、先端技術産業や国際金融都市としての東京を支えていくとしている。