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Sansan、2024年5月期第1四半期連結業績は増収増益で成長が加速 調整後営業利益は黒字化を達成

 Sansan株式会社は12日、2024年5月期第1四半期(2023年6月1日~8月31日)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比31.3%増の75億400万円、調整後営業利益は前年同期のマイナス2億2700万円の赤字から1億4300万円の黒字、経常利益は前年同期のマイナス1億7300万円の赤字から1億1000万円の黒字、当期純利益は前年同期のマイナス3億2500万円の赤字から2500万円の黒字に転換した。

2024年5月期第1四半期連結実績の概況

 Sansan 取締役/執行役員/CFOの橋本宗之氏は、第1四半期累計実績のハイライトについて、「連結売上高は好調に推移し、前年同期比31.3%増となり、成長率が加速している。調整後営業利益は、人材採用の強化など、成長投資を実施しながらも、売上高の増加等にともない黒字化を達成した。営業DXサービス『Sansan』の売上高は、プロダクト刷新などの効果により堅調に成長し、前年同期比15.7%増の54億3900万円となった。また、インボイス管理サービス『Bill One』の売上高は前年同期比約2.9倍の11億6000万円となり、MRR(月次固定収入)の四半期純増額は8800万円増と過去最高を更新した」と説明した。

Sansan 取締役/執行役員/CFOの橋本宗之氏

 調整後営業利益の増減要因に関しては、「積極的な人材採用により、連結従業員数は前年同期末比で306名増の1505名となった。これにともない、採用力の強化のため給与のベースアップなども実施した結果、人件費が前年同期比6億4500万円(32.2%)増加した。一方で、広告宣伝費については、前年同期比1億1700万円(10.3%)減少した。これは、当初、第1四半期に計上を予定していた費用の一部が第2四半期以降に計上する見込みとなったため。主に『Bill One』に関する広告宣伝活動を予定している」とした。

調整後営業利益の増減要因

 セグメント別の実績は、Sansan/Bill One事業の連結売上高が前年同期比32.4%増の68億160万円、調整後営業利益は同55.5%増の18億9900万円、Eight事業の連結売上高は同12.4%増の5億9900万円、調整後営業利益は前年同期のマイナス1億3500万円の赤字からマイナス9100万円の赤字、その他の連結売上高は同111.6%増の1億1700万円、調整後営業利益は前年同期のマイナス900万円の赤字からマイナス2600万円の赤字となった。なお、その他には、今年6月に子会社化した言語理解研究所の業績が含まれている。

セグメント別実績の概況

 Sansan/Bill One事業の概況について橋本氏は、「Sansan/Bill One事業の売上高は、『Sansan』の堅調な成長と『Bill One』の高成長を背景に、前年同期比32.4%の増収となった。成長の要因としては、各プロダクトの機能充実とともに、売上最大化に向けて、『Sansan』と『Bill One』で共通化していた営業体制を専属の営業体制に変更したことが挙げられる。また、『その他』の売上高が急拡大しているが、これには今年2月に子会社化したクリエイティブサーベイの業績が寄与している。また、各プロダクトへの成長投資を実行しながらも、『Sansan』の利益拡大と『Bill One』の赤字幅縮小によって、調整後営業利益は売上高を大きく上回る前年同期比55.5%の成長率となった」と述べた。

Sansan/Bill One事業の概況

 Sansan/Bill One事業のKPIとしては、「Sansan」では、営業体制の強化などにより、契約当たり月次ストック売上高の成長率が加速。「Sansan」の解約率は前年同期比0.13pt減の0.46%となり、1%未満の低水準を維持している。「Bill One」では、今年8月時点のMRRが前年同期比187.4%増となり、ARR(年間固定収入)は48億円を突破。営業体制やマーケティング活動の強化によって、有料契約件数は前年同期比109.9%増となり、四半期で大幅に増加した。「Bill One」の解約率も0.56%と1%未満を維持している。

 名刺管理サービスのEight事業の概況については、「価格戦略の見直しなどにより、B2BサービスおよびB2Cサービスが堅調に成長し、売上高は前年同期比12.4%の増収となった。調整後営業利益は、増収にともない赤字額が前年同期から4400万円縮小し、通期黒字化に向け順調に進捗している。

 なお、B2Bサービスは、ビジネスイベントを開催しなかったことから前第4四半期と比較して減収となったが、第2四半期には、前年同期と同様に大型ビジネスイベントの開催を予定している」と説明した。また、今年9月にキャリアプロフィール「Eight」から、デジタル名刺交換と名刺管理に特化した名刺アプリ「Eight」へとコンセプト変更を行ったことに関しては、「デジタル名刺交換に対する社会やビジネスパーソンのニーズの高まりから、今回のコンセプト変更や機能強化により、利用者数のさらなる増加が期待でき、中長期的な事業成長にプラスに働くものと考えている」との見解を示した。

Eight事業の概況

 2024年5月期通期の業績見通しは、期首に発表した数値から変更せず、引き続き、連結売上高の堅調な成長と売上高成長以上の調整後連結営業利益の成長を目指す方針。