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ソラコム、次世代SIM技術「iSIM」の商用化と対応モジュール提供を発表

 株式会社ソラコムは6日、IoT向けデータ通信サービス「SORACOM Air for セルラー」において、SIMの次世代技術「iSIM」に正式対応し、iSIM対応モジュールをSORACOM IoTストアで提供開始した。

 iSIM(Integrated SIM)は、従来のセルラー通信において、独立したコンポーネントとして存在していた通信モジュールとSIMやeSIMの機能を、1枚のチップ(SoC)に集約する技術規格。

 SIMやeSIMが不要になることで、基板スペースの削減や回路の簡素化によるモジュールの小型・軽量化、省電力化、処理能力向上、コスト削減、商流の簡素化などが見込まれ、従来のSIMやeSIMが抱えていた多くの課題が解決されると期待されている。また、チップ内でハードウェアとしてセキュアな領域が確保できるため、安全性が高いことから、次世代のSIMテクノロジーとして注目されているという。

 ソラコムでは、2021年7月にセルラーIoT向けのチップセットを開発するSony Semiconductor Israelと、セルラーIoTデバイス向けにセキュアな認証情報を提供する「Kigen」の提供であるKigenと、iSIMに関する実証実験を実施している。

 今回、顧客からのiSIM対応製品についての問い合わせの増加、モジュールベンダー各社におけるiSIM対応プロダクトの拡充、ソラコムの各種SIMテクノロジーのiSIM向けの機能開発といった準備が整ったことを受け、正式にiSIMの商用提供を開始するとしている。

 合わせて、iSIM対応モジュールであるQuectelの「BG773」と村田製作所の「Type 1SC」を、SORACOM IoTストアおよびユーザーコンソールで提供する。今回提供するiSIM対応モジュールは「サブスクリプションコンテナ」機能にも対応しているため、従来のSIMやeSIM同様に、複数の回線契約を1台のiSIM対応モジュールの中で切り替えて利用できる。

 なお、日本でのiSIM対応モジュールの提供開始は2023年中を予定しており、iSIMの導入を検討するユーザーは、ソラコムのウェブサイトから問い合わせてほしいとしている。

(左)Quectel「BG773」、(右)村田製作所「Type 1SC」