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サーバーワークス、AWSと4年におよぶ戦略的協業を発表 クラウド基盤の整備・構築を支援し顧客のDXを推進

 株式会社サーバーワークスは14日、Amazon Web Services(以下、AWS)と4年におよぶ戦略的協業に合意したと発表した。同日には、両社が協業する背景や戦略的協業の具体的な取り組みについて説明会が行われた。

写真左から:サーバーワークス 代表取締役社長の大石良氏、アマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員 パートナーアライアンス統括本部長の渡邉宗行氏

 サーバーワークスは、2009年にAWS専業のクラウドインテグレーターとしてソリューション提供を開始し、今年で15年目を迎える。AWSの専門家集団として、AWS公式の認定資格保持者が多数在籍しており、2014年11月からはAWSパートナーネットワーク(APN)最上位の「AWSプレミアティアサービスパートナー」に9年継続して認定されている。今年2月末時点で、1130社以上、1万6100プロジェクトを超えるAWS導入実績を持ち、AWS利用料も順調に推移しているという。

 この要因について、サーバーワークス 代表取締役社長の大石良氏は、「当社では、AWSの請求代行に加え、内製化の支援や導入、監視・運用・トレーニングまで、ワンストップで顧客のAWS活用を支援している。また、当社が直接ソリューションを提供することで、顧客のAWS利用料を正確に把握し、クラウドのユーセージをしっかりとらえて、顧客が合理的なコストでAWSを安心して使い続けられるようサポートしている。こういった取り組みが奏功して、好調にビジネスが拡大している」と説明した。

サーバーワークス 代表取締役社長の大石良氏

 今回のAWSとの戦略的協業のポイントについては、(1)エンタープライズ企業のクラウドインフラ共通基盤の整備、(2)中小企業(SMB)におけるAWS活用とDX推進、(3)Amazon Connectによるクラウドコンタクトセンター構築支援、(4)デジタル人材育成のさらなる強化――、の4点を挙げた。

 具体的な取り組みとして、まず「クラウドインフラ共通基盤の整備」では、サーバーワークスがこれまで培ってきたインフラ共通基盤構築のノウハウと、AWSのプロフェッショナルサービスが保有する知見を組み合わせて、エンタープライズ企業におけるAWSインフラ共通基盤の整備・構築に向けた総合支援サービスを、2023年夏までに提供する予定。これまで個別に提供してきたクラウド構築・移行支援サービス、CCoE支援サービスやAWS Control Tower/AWS Organizations構築サービスなどをパッケージ化することで、顧客のクラウド活用フェーズに合わせた伴走型の最適な支援を提供する。特に、支援実績の豊富な製造業、小売業、金融業に注力していく。

企業の情報システムの共通基盤をAWSで提供

 「中小企業(SMB)のDX推進」では、中小企業に向けたクラウドマイグレーションやモダナイゼーション支援を強化し、AWSの新規利用を加速させることで、日本の中小企業のDXを推進する。サーバーワークスは、AWSマネージドサービスプロバイダ(MSP)プログラムを取得しており、自社開発のCloud Automatorによる運用自動化の支援も行っている。そのノウハウを生かしながら、事業規模や内容に応じたクラウドシステムの運用最適化の手段を提供することで、クラウドだからこそ実現できる中小企業の持続可能な経営を支援していく。

 「クラウドコンタクトセンター構築支援サービスの強化」では、Amazon Connectを利用した自動化ソリューションとコンタクトセンターシステムを提供する。サーバーワークスではこれまで、みずほ銀行、NTTスマイルエナジーなど、国内最大規模となる70社近くにのぼるAmazon Connectによる顧客のクラウドコンタクトセンター導入を支援してきた。今回の戦略的協業により、サーバーワークスの豊富な経験とAWSのグローバルのノウハウをかけあわせることで、Amazon Connectを利用した自動架電機能や電話での受注システム構築などの自動化ソリューション、CRMやAI関連のサービスと連携したコンタクトセンターシステムを順次提供し、より幅広い業種における多様化するニーズに応えていく。

クラウドコンタクトセンターの導入事例

 「デジタル人財育成のさらなる強化」では、AWS認定資格保有数を現在の約760(今年3月末)から4年間で新たに1500追加する。さらにCCoE組織の設立、インフラ共通基盤に必要なガイドライン作成を支援援できる人財を育成し、顧客のDX推進に貢献する。また、高品質な技術支援を行えるハイスキルエンジニアの育成にさらに力を入れていく。サーバーワークスはAWSトレーニングパートナーでもあり、こうして培った知見を専任のトレーナーから顧客にも提供していく。

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員 パートナーアライアンス統括本部長の渡邉宗行氏は、サーバーワークスと戦略的協業を行う背景について、「日本国内のクラウド導入は急速に進んでいるが、その一方でクラウドエンジニアの不足が顕在化し、DX実現のためのパートナーによる支援ニーズが高まってきている。そこで今回、サーバーワークスとAWSは、クラウドを有効活用することで、コスト最適化と同時に、顧客の新たなビジネス機会を創出できるよう協業を強化する」と述べた。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員 パートナーアライアンス統括本部長の渡邉宗行氏

 「サーバーワークスは、AWS Partner Networkが始まって以来のパートナーであり、国内企業のDX導入支援で豊富な実績と経験を持っている。今回の戦略的協業により、慢性的な専門人材の不足に対し、内製化支援プログラムの継続、強化を通じて、サーバーワークスとともに顧客のDX推進を支援していく」と、戦略的協業の意義を強調した。

 サーバーワークスの大石氏は、「クラウド活用やDX、ビジネスの柔軟な進化に向けた新しいアイデアを社内に浸透させ、実行に移すためにはさまざまな課題が山積している。これらの課題を解決し、成功へと導くには、経験豊富なパートナーが重要な存在になると考えている。今回の戦略的協業では、注力する4つの領域において、顧客のクラウドリフト・シフトへの支援をさらに拡充し、4年間で290億円(2.15億ドル)規模の新規ビジネスの創出を目指す」と、今後の協業展開に意欲を示した。