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コニカミノルタ、ビデオソリューションサービス事業をAI活用とグローバル販売で加速

 コニカミノルタ株式会社は6日、モニタリング・ビデオソリューションサービス領域の事業について、さらなるAI活用によるソリューション展開と、グローバルな販売力で強化し、事業の高収益化と成長に向けた取り組みを加速すると発表した。

 コニカミノルタでは、画像IoTプラットフォーム「FORXAI(フォーサイ)」を駆使した、AI処理による高度な認識・判断をリアルタイムに現場(エッジ)サイドで実現し、これら社会課題の解決に貢献することを目指している。

 FORXAIのエッジデバイスの一角は、2016年に株式取得したMOBOTIXが持つ分散処理型(エッジコンピューティング)IPカメラ、画像データ圧縮技術、画像データ解析技術によって確立され、同社との技術連携による信頼性の高いモニタリングを利用したソリューションが、顧客の安全・安心確立に寄与してきたとしている。

 モニタリング・ビデオソリューションサービス市場は、単純なセキュリティカメラ領域から、AIを活用した検知、解析、予知予測、さらにそれらを活用したデータサービスの提供領域が成長の中心へ移り変わっていると説明。コニカミノルタでは、この成長市場の中でも、得意とするイメージング技術と、MOBOTIXの高耐久・高信頼性のエッジデバイス、サーマルソリューション、エッジAIの強みが生きる領域である、製造プロセス、プラント、物流、交通インフラ、重要セキュリティ管理施設などにおける安全・安心確立を注力領域として、グローバル販売会社およびMOBOTIXとの連携体制を強化し、事業の高収益化と成長に向けた取り組みを加速するとしている。

 コニカミノルタのグローバル販売会社では、顧客のワークフローDXの推進に向けてMOBOTIX製品・サービスを基盤としたビデオソリューションサービスの提供を進めている。2020年度のコロナ禍における「体表面温度計測ソリューション」の提供などを足掛かりに売り上げを拡大し、2022年度上期の販売会社による売上高は前年同期比50%の売り上げ成長を実現している。

 今後はさらに、グローバル販売会社におけるビデオソリューションサービス体制を強化していくと説明。北米では、MOBOTIXとの商品流通一本化を2022年4月から開始。欧州では、2022年6月にプラハにショールームを開設するとともに、「FORXAI Video Analytic Solution」「FORXAI Visual Quality Inspection」といった新サービスも開始し、10月からはビデオソリューションサービスビジネスユニット体制を構築した。さらに、顧客にソリューション提案できる技術ナレッジを保有する営業人材の採用も強化していくとしている。

 また、MOBOTIXは2022年5月に、自動ナンバープレート認識(ALPR)や光学式文字認識(OCR)のソリューションを提供する、スペインのVaxtorを買収した。Vaxtorは、ALPR技術により交通インフラ領域で力を発揮しており、例えば港で貨物自動車とコンテナを管理、監視、確認するために、VaxtorのALPRエンジンは150を超える国のプレートを読み取り、ドライバーをサイト内で案内したり、アクセス制御権を確認したりできる。

 コニカミノルタは、MOBOTIXとともに、このナンバープレート読み取りAI技術をベースに、交通インフラ領域での顧客提供価値向上を加速し、新たな領域へビジネスを拡大できるとしている。

 コニカミノルタでは、画像の入出力や画像処理を中核とするイメージング技術に、MOBOTIXの分散処理型IPカメラやVMS(ビデオマネジメントシステム)を組み合わせて、モニタリングによる安全・安心確立のためのワークフローソリューションを開発してきた。炭化水素系ガスを可視化して、発見困難なガス漏れ箇所の特定や、煩雑なデータの記録管理を支援する「ガス監視ソリューション」、視覚では見えない異常熱をいち早く検知して通知する「火災予防ソリューション」、工場など現場作業員の行動を可視化して不安全行動の発生を定量的にアセスメントする「安全行動サポートシステム」などを提供している。

 今後も、MOBOTIXのエッジデバイス製品群にFORXAIを接続し、顧客課題の解決に向けて必要となるAIや他のセンサーデバイスを組み合わせたソリューションを開発し、グローバルに展開することで、同領域におけるさらなる事業成長と社会課題の解決につなげるとしている。