ニュース

IIJ、河村電器産業と共同開発した高密度GPUサーバー対応のモジュール型エッジデータセンター「DX edge Cool Cube」を販売

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)と河村電器産業株式会社(以下、河村電器産業)は17日、高密度GPUサーバー対応のモジュール型エッジデータセンター「DX edge Cool Cube」を共同開発し、IIJが販売を開始すると発表した。

 DX edge Cool Cubeは、2025年3月に発表したモジュール型エッジデータセンター試作機をもとに、実証や評価、改良を重ねて、正式な製品としてリリースするもので、AI時代に求められる分散型デジタルインフラとして設計・構築支援から導入までを包括的に提供する。価格は個別見積もりで、製品の標準納期は5カ月。

 IIJと河村電器産業は、生成AIの普及を受け、GPUを搭載する高発熱・高消費電力サーバーの導入が進んでいるが、大規模データセンターの新設には、用地確保や電力供給、そして長期間にわたる建設工事といった課題があり、急増するAI需要への迅速な対応が困難となっていると説明する。その一方で、製造業や研究機関、自治体などでは、データの即時処理やセキュリティ確保の観点から、クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッド運用や、現場ごとに処理を行うエッジコンピューティングなど、分散型デジタルインフラの採用が広がりを見せているという。

 こうした市場環境の変化を背景に、IIJと河村電器産業は、それぞれが培ってきた情報通信と電力設備の知見を融合し、AI時代に求められる分散型デジタルインフラの実装方式として、モジュール型エッジデータセンターを共同で開発し、販売を開始する。

 DX edge Cool Cubeは、電源供給・冷却システム・ラックが一体化した完結型のオンプレミスAI基盤。高発熱なGPUサーバーを含むAIワークロードに最適化しており、1モジュールあたり20kW以上の電力供給能力と高効率冷却機構を備えている。主要サーバーメーカーのラックシステムにも対応し、クラウドに依存せず、生成AIや推論処理のデータを自社環境内で完結させる「プライベートAI」の実行基盤として利用できる。

 電気設備、IT機器、チラーの各モジュールを組み合わせて、需要に応じて1ラックから導入可能。GPUの増設や拠点追加にも柔軟に対応でき、分散型インフラ構築を支援する。

 受電キュービクル筐体を活用したモジュール構造のため、新たにデータセンター建屋を建設する必要がなく、屋内外どちらにも設置できる。現地での設計や施工を最小限に抑えることで、品質の安定化と短納期を実現する。ビル型データセンターやコンテナデータセンターと比べて、効率的な投資が可能で、短期間でのAI基盤立ち上げを実現する。

 活用シーンとしては、ワット・ビット連携を実現する分散型デジタルインフラとして、余剰電力の活用や発電所への併設、工場跡地や倉庫など既存施設を活用した分散型AIデータセンターとしての導入を挙げている。データセンター事業者や公共・エネルギー関連事業者に加え、ゼネコン、設備サブコンとの再開発・改修プロジェクトにおけるGPU特化型データセンター案件にも対応する。

 また、製造業、研究開発拠点、医療機関など、機密性の高いデータを扱う現場で、データを外部に出さずにAIを運用するための基盤としての活用や、自動運転や映像解析、スマートシティなど、リアルタイム性が求められる分野における、通信遅延を抑えた分散配置型AIとしても活用できるとしている。

 IIJと河村電器産業は、3月24日~25日に開催される展示会「Data Center Japan 2026」の両社共同ブースにおいて、DX edge Cool Cubeの実機を展示する。

モジュール型エッジデータセンター試作品イメージ
実際の製品写真/イメージ
モジュール連結の例