ニュース

個人を特定せずに人流マーケティングを実現――、コニカミノルタと丸紅ネットワークソリューションズの新ソリューション

 コニカミノルタ株式会社と丸紅ネットワークソリューションズ株式会社は15日、スマートシティや商業施設などで来店者を分析するソリューション「人流マーケティング」に関して協業すると発表した。この協業では、丸紅ネットワークのAI映像監視サービス「TRASCOPE-AI」に、コニカミノルタの画像IoTプラットフォーム「FORXAI(フォーサイ)」を利用して開発した「人流マーケティング」機能を搭載するという。

 現在、大型商業施設などの店頭マーケティングでは、消費者一人一人がどのような行動をとっているのかを分析し、店舗の配置や商品の陳列などに人の流れに合わせた戦略が導入されつつあるが、異なる場所に移動する人の動きを分析することは容易ではないという。また顔認識による方式では、マスク装着による識別性能の低下に加えて、プライバシーに対する懸念などの問題があるとのこと。

 新たに提供する「人流マーケティング」は、こうした課題をクリアして、来店者分析を可能にするソリューション。施設内店舗間の相互利用者数、来場者の時間帯別属性、来場者の動線といった来場者のマーケティングデータを、消費者のプライバシーに配慮しながら自動的に取得でき、より効率的な販売戦略の構築や課題解決を支援するとした。

 なお人物の認識については、服装や持ち物も含めた人物の全体像から同一人物かどうかを判定するFORXAIの属性認識技術を活用。マスクや帽子で顔が隠れていても同一人物の認識・追跡を可能にしており、個人の特定を行う必要がないため、来店者のプライバシーにかかわる懸念を軽減できるという。

 さらにFORXAIの画像処理技術によって、これまで難しかった複数カメラ間での画像整合性の問題を解決している。加えて、これらのAI処理は店舗内のエッジサーバー等で行われ、個人が特定されない認識結果のみをクラウドへ送信しているので、撮影映像がクラウドなどの外部に送出されることはなく、情報漏えいリスクの低減に寄与するとしている。