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freee、行政手続きの新プロダクト「freee登記」「freee許認可」を発表

GovTech領域に向けた取り組みをさらに強化

 freee株式会社は7日、行政手続きに関わる新プロダクトとして、「freee登記」を9月8日から、「freee許認可」を10月上旬から提供開始すると発表した。

 同日には、GovTech領域を強化する背景および新プロダクトの概要について説明会が行われた。

写真左から:freee CorpDev プロダクトマネージャーの今井隆太郎氏、freee スモール会計freee登記担当の佐久間希氏、freee プロダクトマネジャーの小泉美果氏

 freeeでは、これまでも行政手続きに関わるさまざまなプロダクトを提供してきたが、今回、法人の変更登記書類をオンラインで作成できる「freee登記」と、許認可申請をオンラインで完結させる「freee許認可」の2プロダクトを新たに追加することで、GovTech領域に向けた取り組みをさらに強化する。

 freee プロダクトマネジャーの小泉美果氏は、「現在日本では、法令の最新情報は、デジタルデータよりも紙の官報が最優先となっている。また、2002年に『行政手続オンライン法』が施行されたが、使い勝手の悪さなどからほとんど利用が進まなかった。しかし、令和に入り、2019年に『デジタルファースト法』が成立、昨年にはデジタル庁も設置された。これを機に、今後のデジタルガバメントは、政府だけでなく民間企業も協力し、官民で推進していく必要があると考え、GovTech領域に力を注いでいる」と狙いを語る。

 「特にスモールビジネスにとって、行政手続きは大きな課題となっており、会社設立や開業届、税務申告などについて内容を理解し、正確な手続きを行うのに多大な時間を割いている。また最近では、税理士や行政書士などの士業にもデジタル化の波が到来しつつある。こうした中で当社は、スモールビジネスのライフサイクルに寄り添い、創業期・成長期における行政手続きのデジタル化を後押しするプロダクトを提供してきた。そして今回、安定期における行政手続きをサポートするべく、新たに『freee登記』と『freee許認可』をリリースする」(小泉氏)と説明した。

スモールビジネスの行政手続きのデジタル化を後押しするfreeeのプロダクト

 9月8日に提供開始する「freee登記」は、法人の変更登記書類をオンラインで作成できるプロダクト。頻繁に発生しがちな変更登記において、オンラインで項目に沿って入力するだけでコストを抑えて最短7分で申請書類を作成することができるという。

「freee登記」の概要

 freee スモール会計freee登記担当の佐久間希氏は、「変更登記は、会社設立後に設立登記に記載した内容に変更があった際に必要になる手続きで、『本店移転』『役員変更』『目的変更』『募集株式の発行』などがある。当社が法人経営者を対象に行った調査では、会社設立後3回以上の変更登記を経験している経営者は約34%を占め、約70%の経営者は変更登記を経験していることがわかった。また、約34%の経営者が『専門家が書類を作成・法務局に提出した』と回答しており、変更登記における悩みについては『専門家に依頼する費用が高い』が上位を占めた」と、変更登記に関わる現状を紹介。

 「『freee登記』を活用することで、司法書士に依頼することなく、低コストかつ短時間で変更登記書類を作成することが可能になる。さらに、オプションプランの『かんたん郵送パック』を利用すれば、法務局に出向くことなく申請を完了することができ、バックオフィス業務の効率化を実現する」(佐久間氏)としている。

「freee登記」の3つのメリット

 対応する変更登記は、「本店移転」、「役員変更(新任、辞任、重任、退任)」、「役員の氏名変更」、「役員の住所変更」、「募集株式の発行」、「商号変更」、「目的変更」、「株式分割」、「剰余金等の資本組入れ」、「ストックオプション」の10種類で、複数種類の登記を組み合わせて同時申請も可能となっている。

 10月上旬に提供開始する「freee許認可」は、許認可申請をオンラインで完結させることができるプロダクト。パソコンはもとより、スマートフォンからもブラウザを通じて無料で利用が可能。また、許認可のプロフェッショナルである行政書士が監修しており、自分で作成するよりも正確で確実な申請を行うことができる。1stリリースとして、まずは軽貨物営業届に対応を開始する。なお、軽貨物営業届に対応した許認可に関するプロダクトは日本初となる。

「freee許認可」の概要

 freee CorpDev プロダクトマネージャーの今井隆太郎氏は、「特定の事業を始めるときには行政からの許可・認可・免許、または行政への届け出が必要であり、それらを総称して一般的に『許認可』と呼ぶ。当社の調査では、開業・会社設立から6か月程度で許認可取得する経営者は約60%を占めている。一方で、許認可手続きは書類の作成や提出手順が非常に煩雑で、個人事業主や企業に大きな負荷がかかっている。また、許認可手続きについても、行政書士へ依頼するとコストが高額になってしまう」と、許認可手続きの課題を指摘する。

 「これらの課題に対し、『freee許認可』では、入力フォームに必要情報を入れるだけで、許認可手続きに必要な書類を20分程度で自動作成することができる。提出手順や提出先も自動で案内してくれるため、これまで時間をかけて自分で調べて作業をしていた時間を大幅に削減し、スモールビジネス経営者のバックオフィス業務の負担を軽減できる」(今井氏)とアピールした。

「freee許認可」の3つのメリット

 最初のリリースでは、軽貨物営業届に対応し、軽貨物ドライバーの独立・開業をトータルサポートする。今後は、その他の許認可にも順次対応し、今年末までに古物商営業許可、2023年春ごろに飲食店営業許可・建設業許可への対応を予定している。