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NTTデータ、データセンターのサーバールーム室内環境をリアルタイムに可視化する「Green DC energy management」を開発

 株式会社NTTデータは7月29日、100%再生可能エネルギーを利用したカーボンニュートラルデータセンターにおいて、サーバールームの室内環境をリアルタイムに可視化するシステム「Green DC energy management」を開発し、7月1日に運用を開始したと発表した。

 Green DC energy managementは、空調機や室内温度センサー、サーバーから温湿度情報・サーバー1台ごとの電流値・給排気温度・電力消費量・CPU稼働率などの情報を取得し、可視化するシステム。室内環境やサーバーの運用状況を可視化することで、現状の運用での問題点を抽出することが容易となり、継続的な運用改善の取り組みを可能にする。

「Green DC energy management」画面イメージ

 可視化システムは、NTTデータと住友電設株式会社が共同で開発。サーバーからの情報収集は、インテル株式会社のインテル データセンター・マネージャーを使用している。空調AI制御は、株式会社NTTファシリティーズの「Smart DASH」を使用している。

 NTTデータでは、通常、サーバー室は室単位で設定された温湿度条件で冷却されており、IT機器の環境特性を十分に生かせていないことから、過冷却によるエネルギーの無駄が生じているケースが多く見られると説明。この課題に対して、サーバールームにおいて温度センサーから取得した情報を、機械学習で空調機を自動制御する空調AI制御と組み合わせ、室内の高温エリアをサーバー単位で割り出し、集中的な冷却を可能とした。これにより2022年4月~5月の効果検証においては、冷却エネルギーを約35%削減したことを確認したという。

 NTTデータでは今後、同社データセンターへ順次展開を予定しており、現在建設中の三鷹データセンターEAST2期棟への導入も予定する。また、サーバールームだけでなく建物全体の使用電力を可視化し、テナントごとやサーバーラック単位で使用電力を管理することや、ビル全体の環境負荷を管理することが可能な統合管理システムを構築予定としている。

「Green DC energy management」温度分布図、サーバー情報詳細イメージ