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国産CPU「FUJITSU-MONAKA」から最新AIエージェントまで一挙公開!「Fujitsu Experience Day 2026」現地レポート
2026年7月16日 06:30
富士通株式会社は7月15日・16日の2日間、東京・高輪のTAKANAWA GATEWAY Convention Centerにおいて「Fujitsu Experience Day 2026」を開催した。
「Data-Driven, AI-Powered, Trust-Based」をテーマに、Data & AI時代における変革を、全体像から実行までを網羅して、展示とセミナーを通して紹介。Uvanceを通じた経営課題の解決などを、具体的な事例によって提案してみせた。
また、初日となる15日を「AI Growth Day -変革の基盤が再構築される日-」に、16日を「AI Action Day -変革を実装し、価値が創られる日-」に設定。それぞれのテーマで各種セミナーを開催した。
会場内に設置したセンターステージではアバンギャルディによるパフォーマンスが行われたほか、富士通の提供番組である「世界の車窓から」の40周年カウントダウン特別企画として、同番組ナレーターの石丸謙二郎氏が登壇するといったイベントも行われた。
Fujitsu Experience Day 2026の展示エリアは、「テクノロジー」、「社会課題の解決」、「デジタル社会の発展」、「生活体験の変革」、「経営基盤」の5つのコーナーに分かれている。写真を通じて、展示会場の様子を紹介しよう。


テクノロジー
Fujitsu Experience Day 2026において最も注目を集めていたのが、「FUJITSU-MONAKA」である。富士通が、2027年にリリースを予定している国産CPUであり、最先端となる2nmプロセスを採用しているのが特徴だ。
2026年夏から、「FUJITSU-MONAKA」を搭載したサーバーの検証機の貸し出しを開始しており、データセンター事業者やクラウドサービスプロバイダーのほか、機密性の高いデータや膨大な顧客データを扱う企業など、10社以上から引き合いがあることを明らかにした。
すでに、住友ゴム工業(DUNLOP)が、AIを活用したタイヤ構造解析において、FUJITSU-MONAKAを前提とした実証実験を行っている。このほか、ソブリンAIやクラウド、エンタープライズ向けでの用途が期待されているという。
今回の展示では、「FUJITSU-MONAKA」のロゴが入ったCPUを初めて一般に公開。19インチラックに収納可能なサーバー筐体に搭載した形で披露した。
また、富士通独自の3Dメニーコアアーキテクチャに関する拡大模型を展示。2nmプロセスを使用したコアダイに、5nmプロセスのSRAMダイおよびIOダイを積層する3D積層構造としたことで、データの物理的な移動距離を短縮し、ハイパフォーマンスと高い電力効率を実現しているのが特徴だ。ここでは、独自の超低電圧動作技術を組み合わせることで、電力効率を約2倍に高めることにも成功している。
パラメータが70B規模の中規模LLMであれば、FUJITSU-MONAKA単独で動作させることができ、CPUベースでの推論処理が可能になる点も見逃せない。電力容量が限られる既存のデータセンターの有効活用にも貢献できる点でも注目を集めているという。
FUJITSU-MONAKAを搭載したサーバーは、石川県かほく市の笠島工場で生産。Made in JapanのソブリンAIサーバーとして提供することになる。
なお、2029年には、1.4nmプロセスを採用したFUJITSU-MONAKA-Xに進化。次世代スパコンである「富岳NEXT」への搭載が決定している。
また、256量子ビット超伝導量子コンピュータの2分の1の模型を展示したほか、AI統合型次世代無線ネットワーク、サーバーの直結によって実現する分散AIインフラの説明も行っていた。
社会課題の解決
「社会課題の解決」に関する展示エリアでは、「因果AIが支える、確かな事業評価と説明責任」、「ワット・ビットで実現する持続可能な社会インフラ構築」、「デジタルツインを用いた政策設計によるEBPM推進強化」に関して、展示およびデモンストレーションを行っていた。
特に、ワット・ビット連携は、電力をデータセンターなどの電力消費地へ近接させるだけでなく、計算処理を最適な場所へ移すメリットが注目を集めており、ワークロードシフト技術により、状況に応じて、計算処理を最適なデータセンターに振り分けることができる。富士通では、日本各地のリソースの最適活用により、「バーチャルハイパースケーラー」として、グローバルレベルのスケールと機能を提供できるとしている。
デジタル社会の発展
「デジタル社会の発展」に関するエリアでは、11のテーマについて展示を行った。
そのなかでも、来場者の関心を集めていたのが「マルチAIエージェントが創るビジネス革新」の展示だ。富士通では、自己進化マルチAIエージェントフレームワークを確立。業務知識や業務データから自動的にシステムを生成し、ゴール設定および自己進化のループにより、それぞれのAIエージェントが継続的に進化。ソブリン環境での実行により、セキュアな環境で、AIエージェントの構築および運用が可能であることを紹介した。
稟議書チェック業務を題材にしたデモンストレーションでは、富士通の生成AIであるTakaneを活用したマルチAIエージェントが、それぞれの役割に基づき、稟議書を事前にチェック。10営業日かかっていた作業を2営業日に短縮したという。
富士通では、新たに発表した「AIエージェントが実現する店長業務標準化と次世代店舗運営」に関する展示にも力を入れていた。ここでは、イオンフードスタイルとの共創プロジェクトの事例を紹介。富士通の子会社である独GK Softwareの技術を活用し、棚割り支援について説明を行っていた。本部からの指示書や商品情報、棚情報をもとに、棚割り案の作成をAIが支援。実際の棚写真をもとに、配置後の売り場イメージを画像生成し、口頭や図面だけでは伝わりにくいスタッフへの指示を視覚的に行えるようにしている。
実演を交えて展示していたのは、「AIカメラでの不正・ロス防止による収益性向上」への取り組みだ。セルフレジでのチェックアウト操作をAIカメラで監視し、不正を検知して通知することができる。
GK Softwareが持つGK Visionの技術を活用したスキャンチェックエンジンにより、スキャン漏れを検知。スキャンをせずに商品が移動した場合の検知に加えて、バーコードを意図的に覆ったり、スキャン信号が受信されなかったりした場合には、偽装スキャンとして判定する。
また、顧客の同意を得て、年齢推定のリアルタイム分析を行うほか、生鮮食品の物体認識を行い、商品選択候補の絞り込みも行える。すでに欧州では、5社180台以上が本番稼働中だという。
生活体験の変革
「生活体験の変革」のエリアでは、6つのソリューションを展示した。
その展示のひとつが、発表したばかりの「患者・医療・保険の業種横断による給付プロセス改革」である。従来の紙での請求プロセスを変革し、オンライン化によって実現する新たな顧客体験を提供するものだ。
被保険者が給付金請求をオンラインで申請すると、保険会社は、申請内容と契約内容から診断書の要否を判断。必要な場合には、被保険者はオンラインで診断書の作成を医療機関に依頼でき、医療機関は診断書作成補助ツールを活用して診断書を作成する。被保険者および受取人の給付金請求手続きを、来院の手間や待ち時間がなく実現。医療機関の診断書作成業務を効率化するとともに、紙や郵送のコストと手間を削減する。
「入院中のベッドの上でも移動せずに、給付金請求手続きが行える」という。アフラック生命保険とがん研究会有明病院が導入し、2026年8月末から運用を開始する予定だ。2031年度までに生命保険会社で約20社、医療機関では約400病院に導入する計画だ。
また、「骨格認識AIによる人の能力拡張で実現する価値創出」は、富士通が開発した高精度モーション解析プラットフォームであるHMA(Human Motion Analytics)を活用し、アスリート向けトレーニングを都市生活に展開。すべての人の健康維持および増進に貢献することを目指しているという。すでに、台北栄民総病院併設のデイケアセンターでは、高齢化社会におけるQoL向上に取り組んでおり、医療現場や介護現場においてスマホなどで撮影した高齢者の歩行動画を分析することで、疾病を早期に把握し、進行の鈍化につなげている。
経営基盤
「経営基盤」では、モダナイゼーションに向けた取り組みや、ソブリンクラウド、ソブリンAIなど、16件の取り組みについて展示した。
「AI活用の次世代モダナイゼーションでDXを実現」と題した展示では、7月14日に発表した「Fujitsu AIドリブンモダナイゼーションサービス」をデモンストレーションした。
Fujitsu KozuchiやTakaneに加えて、AnthropicのClaudeや、OpenAIのGPTをはじめとした最先端AI技術と、レガシー技術に精通した富士通の専門エンジニアであるモダナイゼーションマイスターの実践知を融合することで、リライトおよびリホストを中心としたモダナイゼーションの自動化、最適化を実現する。これにより、移行期間を約40%短縮でき、迅速なモダナイゼーションを支援するという。
「ソブリニティを実現する国産AIサーバーと機密データの安全なAI活用」として、エフサステクノロジーズによるAIサーバーの国内生産の取り組みを紹介していた。ITインフラにおいて、他国や他社に左右されずに自ら制御できるソブリン性に対する要求が高まるなか、同社では、GPUを搭載したAIサーバーを、石川県かほく市の笠島工場で生産し、Made in Japanの品質だけでなく、透明性、ソブリン性のニーズにも対応できるようになるとした。
また、オンプレミス型生成AI基盤である「Private AI Platform on PRIMERGY」を紹介。工場出荷時に、ハードウェアと生成AIの実行環境をあらかじめ最適化し、構築、検証した状態で提供するため、企業向けに、セキュアで、効率的なAI活用の導入できるという。現在、製造業、金融、官公庁などでの導入が進んでおり、2025年度実績では58社に導入。2026年度は200社以上の企業や団体と商談を進めているところだという。また、パートナーとの連携によるソブリンAIの提供にも取り組んでいる。






























































