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塩尻市、小中学校の教職員向け仮想デスクトップ環境をCitrix Virtual AppsとHPE Nimble Storageで構築

 株式会社ネットワールドは19日、長野県の塩尻市教育委員会が、同委員会が進める教職員向け仮想デスクトップ環境構築プロジェクトにおいて、ネットアップが取り扱うサーバーベースドコンピューティングソリューション「Citrix Virtual Apps」、およびストレージ「HPE Nimble Storage HF20」(以下、Nimble Storage)を採用したと発表した。システムの提案と構築は、ネットワールドのパートナーであるエプソン販売株式会社が担当しており、2021年9月より本番稼働を開始しているという。

 塩尻市では従来、小中学校の教職員向けの従来のデスクトップ環境にファットPCを利用していたため、端末の運用管理負荷が高く、また端末内にデータを保存できることから、マルウェア感染や情報漏えいなどのセキュリティリスクも懸念されたという。そこで同市では、これらの課題を解決するために仮想デスクトップ化を決定し、2016年に小学校教員向けにVirtual Apps(当時の名称はCitrix XenApp)が導入されていた。

 その後、コロナ禍でリモートワークをどう進めるかという課題が浮上したことから、中学校教員向けにもVirtual Appsを導入したが、それまで別々に稼働していた小学校教員向けと中学校教員向けの2つの仮想化基盤を統合し、インフラの抜本的な見直しによりコスト削減を図ることになった。

 新しい統合基盤では、多くのサーバーやクライアントが稼働することから、ストレージには、価格と性能のバランスが高い点を評価し、Nimble Storageハイブリッドフラッシュアレイを採用している。この統合により、ラックスペースが従来の2ラックから1ラックへと半減し、電力消費量も大きく引き下げられたほか、同市ではサーバーもHPE製品を使用していたため、保守の一本化を実現したとのこと。

 また、Virtual Appsへのセキュアなリモート接続を実現する「Citrix ADC」とマトリックス認証を連携させることで、セキュリティと利便性の両立も実現している。

 こうして構築された新しい仮想デスクトップ環境は、2021年9月より本番稼働を開始しており、自宅でも学校と同じ環境で作業できるようになったことで、コロナ禍においても校務や承認・決裁業務などが滞る心配がなくなったとした。

 システムのレスポンスは良好で、以前のファットPC環境よりもファイルアクセスや通信が速くなったと評価されているほか、通常の校務だけでなく、コロナ禍で増えたWeb会議システムでのリモート会議も、Citrixの最適化機能によって快適に行われているという。

 あわせて、育児・介護などの事情を抱えた教職員でも自由な時間の使い方が可能になったり、休日にちょっとした作業をしたくなった際なども、学校まで出向かずに作業が可能になったりするなど、教育現場の働き方改革にも効果があったとしている。