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日本ヒューレット・パッカード、「HPE Nimble Storage」の次世代モデルを発表

オールフラッシュアレイで業界最高レベルの容量効率を実現

 日本ヒューレット・パッカード株式会社は22日、次世代の「HPE Nimble Storage」プラットフォームとして、「HPE Nimble Storage オールフラッシュアレイ」(AFシリーズ)と「HPE Nimble Storage ハイブリッドフラッシュアレイ」(HFシリーズ)を、同日より提供開始すると発表した。なお記者発表会では、HPEのストレージ製品戦略とあわせ、新モデルの概要および国内展開について説明している。

 発表会ではまず、日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT事業統括 ハイブリッドIT製品統括本部 統括本部長の本田昌和氏が登壇。エンタープライズ向けストレージ市場の現状について、「現在、ストレージ市場のフラッシュ革命は、第三の波に入りつつある。企業のインフラにフラッシュストレージが活用されるのは当たり前の状況となり、従来の“速い、止まらない”というだけではない、新たな価値が求められている」と述べた。

日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT事業統括 ハイブリッドIT製品統括本部 統括本部長の本田昌和氏

 「こうした市場背景の中で、当社では、ハイブリッドITのシンプル化を実現する次世代型ストレージを提供するべく、『予測』『クラウド対応』『永続性』の3つをキーワードに掲げ、ストレージ戦略を展開している。『予測』では、インフラ全体の問題を予測・防止するデータセンター向けAIの提供。『クラウド対応』では、システム、サイトおよびパブリッククラウド間でのデータモビリティの実現。そして『永続性』では、将来性と可用性を保証することで永続的に利用できる製品の提供を目指していく」と、HPEのストレージ戦略の方向性を示した。

 今回、新モデルを投入する「HPE Nimble Storage」は、このストレージ戦略の重要な役割を担う製品として、同社が昨年買収したフラッシュストレージプラットフォームだ。新モデルでは、オールフラッシュアレイの「AFシリーズ」とハイブリッドフラッシュアレイの「HFシリーズ」の2シリーズをラインアップ。特に「AFシリーズ」は、従来のオールフラッシュアレイと同様に99.9999%の可用性を保証するとともに、HPE InfoSightによる予測分析も提供。また、新たに次世代テクノロジーのStorage Class Memory(SCM)とNVMeを活用できるように設計されているという。

「HPE Nimble Storage」ハイブリッドフラッシュアレイ

 米Hewlett Packard Enterprise ハイブリッドIT事業統括 HPE Nimble事業部 プロダクトマネージメント シニアディレクターのアシッシュ・プラカーシュ氏は、「『AFシリーズ』は、6TBの物理容量からスタートできるエントリーモデル『AF20Q/AF20』、最大3倍の価格性能向上を実現した『AF40/AF60』、4PBの有効容量を1ms以下のレイテンシーで処理できる高速モデル『AF80』の5モデルを用意している。すべてのモデルでSCMとNVMeをサポートしており、FlashとNVMeの組み合わせと比較して10倍以上の高速性能を実現する。これにより、Web分析、ビジネスインテリジェンス、リアルタイム取引など、結果が瞬時に必要とされるアプリケーションからの要求に応えることが可能になる」と説明した。

米HPE ハイブリッドIT事業統括 HPE Nimble事業部 プロダクトマネージメント シニアディレクターのアシッシュ・プラカーシュ氏

 さらに、「AFシリーズ」は、「HPE Store More Guarantee」プログラムの提供によって、業界最高レベルの容量効率を実現している点も大きな特長となっている。「このプログラムでは、他社のオールフラッシュストレージを上回るテラバイトあたり有効容量を提供していく。最小限のオーバーヘッドや優れたデータ削減機能により、顧客が安心して、データを効率よく保存できるようサポートする」(プラカーシュ氏)としている。もし、他社オールフラッシュ製品よりも優れたストレージ効率を提供できない場合は、その差に相当するストレージを販売時に無償で提供するという。

「HPE Store More Guarantee」プログラムにより高い容量効率を実現

 「HFシリーズ」は、ハイブリッドとセカンダリフラッシュの2つの技術をひとつのアレイに統合したハイブリッドフラッシュアレイ。物理容量11TBからスタートできるエントリーモデル「HF20H/HF20」、2PBまで有効容量をスケールアップできる「HF20C」、最大1.5倍の価格性能向上を実現した「HF40」、パフォーマンスを65%向上した高速モデル「HF60」の5モデルをラインアップしており、「HF20C」を除くすべてのモデルで、インライン重複排除機能を新たにサポートしている。

 「HPE Nimble Storage」の国内市場での展開について、日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT事業統括 ハイブリッドIT製品統括本部 カテゴリーマネージャーの関根史和氏は、「業界最高レベルの有効容量効率を実現する新モデルの特長を生かし、マーケティングメッセージに踊らされない製品選定のポイントを訴求していく。オールフラッシュアレイというと、重複排除率や圧縮率といったデータ削減率が注目されがちだが、それだけでは本当の容量効率は見えてこない。『HPE Nimble Storage』では、データ削減率ではなく、顧客が実際に使う容量を効率よく切り出せるストレージであることをアピールし、国内企業への導入提案を進めていく」との方針を述べた。

日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT事業統括 ハイブリッドIT製品統括本部 カテゴリーマネージャーの関根史和氏

 また、国内での販売状況にも触れ、「今年は、売上金額で昨対2倍のペースで好調に推移している。新規顧客からの引き合いも多く、特に大規模案件が増加し、受注につながっている。今回の新モデルがリリースされたことで、今年後半の伸びにも期待している」と、さらなる拡販に意欲を見せた。