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横河ソリューションサービスとNTT Com、化学プラントの運転をAIにより支援するソリューション

手動オペレーションの推奨値を根拠とともにガイダンス表示

 横河ソリューションサービス株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、自動制御が困難なため手動オペレーションが不可欠な化学プラントの運転をAIにより支援する「AIプラント運転支援ソリューション」を、同日より提供開始すると発表した。両社は2021年6月より、稼働中の化学プラントで実証実験を行っており、そこで確認された課題を改善の上、運転員の高い支持を受け、商用提供を開始するという。

 「AIプラント運転支援ソリューション」は、稼働中の化学プラント内の各種センサーから取得した温度や圧力などのデータ(以下、プロセスデータ)をもとに、AIモデルが運転員に手動オペレーションの推奨値をガイダンス表示するもの。横河ソリューションサービスが持つプラント制御改善コンサルティングのノウハウと、NTT ComのAI開発ツール「Node-AI」によって作成されたAIモデルを組み合わせて構成されている。

 推奨値のガイダンス表示にあたっては、AIモデルがそう判断した根拠も提示するため、運転員は納得感を持ってオペレーションを実行可能な点が特長だ。

 また、蓄積された運転員の操作履歴の中から現状に近い状況で収集された操作履歴などを抽出し、自動で再学習する仕組みも搭載した。このため、新たな環境に沿ったルールを導き出し、生産量や外部気温など周辺環境が変化した場合でも環境の変化に適応して、常に最適な手動オペレーションの推奨値をガイダンス表示できるとしている。

 さらに同ソリューションでは、プラント向けのソリューションとしては珍しいアジャイル開発が採用されており、ソリューション導入後の現場ニーズを踏まえた機能追加など、通常数カ月を要する対応を1カ月程度で迅速に実施するとのこと。

 なお導入前には、利用を検討している企業のプラントに蓄積されたプロセスデータを預かり、分析とヒアリングの上で、ソリューションの適合性を確認する。適合性が確認できた場合は、企業の化学プラント向けAIモデル構築と、現場での実用性を評価する実地検証を実施し、評価結果をもとに企業側が導入判断を行った上で、ソリューションの利用と保守・運用を開始するとした。